寒冷前線のため、普段よりも冷え込む東海岸。
その寒さから逃げるようにして私たちは年中常夏なフロリダへと足を踏み入れた。
フロリダに入ったとたん、野生動物がそこかしこに現れる。
堂々と道路をわたる鳥のために車はみんなストップ。
常夏と言ってもやはりまだ冬。ものすごく暑いわけでもなく、ほどよい湿度と気温でとても過ごしやすい。
これが冬のフロリダに人が集まる理由か。
フリーウェイを走っていると、アメリカ北部の州のナンバーや、カナダの東部のナンバープレートをつけた大型のキャンピングカーをよく目にする。
こうやって、冬の間だけ暖かいところに逃げる人たちの事を、「Snow Bird」と言うらしい。
そのまんまやん。
それは、秋口から冬にかけて北米をまわっていた私たちも例外ではなく、そろそろ暖かい気候が恋しくなっていた。
実家にいる間にBlazがWestyを直してくれたおかげで、助手席の窓も開くようになったし、キッチンシンクも機能するようになったし、スライディングドアもちゃんと閉まるようになったし(てか、どんだけ問題あったのよ)外の気温は20度前後だし、これは、久しぶりに、キャンプができるぞ~~!!!
私たちのバンは、エンジンを切ったら暖房機能が使えないし、2歳の息子はまだブランケットをかけたまま寝ることができないので冬キャンプは結構厳しい。
そのため、私たちが最後にキャンプをしたのが10月の末のこと。もう3ヶ月もたってる!!
フロリダは、夜でも気温が10度を下回ることがないので息子が腹を出して寝てても安心安心。
というわけで、ウォルト・ディズニー・ワールドで有名なオーランドより少し北にある、オカラ国立公園(Ocala National forest)でキャンプ場を探すことにした。
オカラ国立公園には数多くの源泉があり、透明度の高い自然のプールを求めて各地から人が訪れる。
そんな湖の近くでキャンプをしても良かったんだけど、キーに行けば嫌でも水辺で過ごすことになるので、フロリダならではの湿地帯にある「Hopkins Prairie Campground」というキャンプ場を選択。
ここ、グーグルマップの指示通りいくと迷います。
ナビに従って走っていくとなんだかとても道の悪い通りに入って、さらに奥を見ると木が倒れて通れなくなっている。
その道の角には看板があって、「ナビの情報は当てにならないので、別の道をこうこう行くように」と書かれていた。
もっと早く言ってよ~~~!!
もと来た道を戻り、看板の道順に従って行くとやっとキャンプ場が見えてきた。
ワニを探すBlaz。
一晩$10と東海岸にしては安いけどトイレは一つしかないし、水道の水は飲むことができないこのキャンプ場。
すぐそばの湿地帯には小さなアリゲーターが住んでいたり、野生のクマが姿を現したりするらしい。
一泊目の夜、息子が寝たあと外で話し込んでいたら、茂みのなかからガサガサと音がする。
えっ
クマか!ワニか!
と恐る恐るライトを向けてみたら、、、
小さなアルマジロが慌ててちょこちょこと走って逃げて行くのが見えた。
野生のアルマジロなんて初めて見たよ!なんだよもう驚いたよ!!そしてアルマジロかわいすぎるよ!!!
キャンプ場のホストによると、ここにはコウモリのための櫓があって現在400羽ほどのコウモリが住んでいるんだとか。
夕方になるとコウモリが餌(蚊等の虫)を求めて出てくるというので、夕食の後、櫓を見に行ってみた。
そしたらすでに先客が。
コーヒーをすすりながらキャンピングチェアに座っていたのは、毎年このキャンプ場を利用している年配カップル。滞在中は毎日コウモリを見に来ているらしい。
コウモリが出てくるたびに、きゃぁきゃぁ少女のように喜ぶおばあちゃんが可愛らしかった。
そしてその日、キャンプサイトで遊んでいたら、一台のバナゴンがやって来た。
同士として手を振って挨拶をしたら、停まってくれたので話をすることに。
アラスカからやって来たこのカップルは、2か月ほど前からバンライフをスタートしたアメリカ人のテイラーとドイツ人のニナ。
とっても気さくで話やすくて、共通点もたくさんあったのでその夜一緒にビールでも飲もうという話になった。
初対面だというのに話は尽きず、これからまわるルートも同じ感じだったので連絡先を交換し合う。
わーい!この旅・初のバナゴン仲間!!
はっきり言って、旅をしてると言ってもBlazの仕事の都合で街に宿をとることが多かった私たちは、今まであまり他のキャンパーと出会う機会がなかった。
キャンプ場で他の旅人の話を聞くのはとても面白いし、情報交換ができるのも大きな魅力。
この夜も、彼らがマナティーを見ることのできる州立公園を教えてくれたので、お返しに、近々フロリダのスペースセンターでロケット打ち上げが行われるという情報を提供。それで、お互いにちょっとルートを変更することに。
ちなみに、州立公園ではAmerica the beautiful カードを提示するとキャンプ代が半額になったりするらしい。
うむむ、その情報はもっとはやく知りたかった。
翌日、友人に会う約束をしていた私たちは一足先にキャンプ場を後にした。
でもなんだか、この二人とは長い付き合いになるような予感がする。