旅の途中だという事を忘れてしまいそうなほどまったりとした時間を実家で過ごした後、私たちはまたアメリカの歴史を追って(そんな趣旨だっけ?)サウスカロライナへと出発した。
アメリカのベストシティのひとつとして知られるチャールストン(Charleston)は、サウスカロライナ州の南東側に位置する港町。
黒人奴隷制度を巡った南北戦争の舞台となった場所だ。
アメリカの南北戦争は、簡単に言うと奴隷制度に難色を示した北部と、奴隷を農業の主要労働力として必要としていた南部が対立して起こった戦争で、1860年から1864年の約4年間続いた。
死者は南北両軍合わせて50万人近くいたとされ、アメリカがこれまでかかわった戦争では史上最悪の戦死者数を記録している。
長い戦いの末、北部が勝利して南北戦争は幕を閉じた。
しかし、その後奴隷制度自体は廃止になったものの有色人種への差別がなくなることはなく、現在でも田舎を走っていると南軍の象徴、アメリカ連合国の南部旗 (Confederate flag)を目にすることがよくある。
アメリカに住んでいると、本当に嫌気がさすのがこの「白人至上主義」の人たち。
白人こそが高潔で高等で一番偉い人種だと信じて疑わない人たちが今の時代に本当に存在するのだから恐ろしい。(というかこの国の現在のトップがそういう人間か)
どの国にも差別の歴史はあるし、過ぎてしまったことをとやかく言っても仕方がない。
でも起こったことを歴史として受け止めて、それを教訓として次の時代に生かすことが大事なんじゃないか。
チャールストンには、そういう歴史を学ぶことができる場所がたくさんある。
ここ、Old Slave Mart Museumは1856年にオープンした奴隷市場で、コットンやたばこ農園の働き手として奴隷が売り買いされていた。
建物の中には奴隷のオークションに使われた広間や彼らを収容する監獄、台所や死体安置場があったそう。
人間が人間を競りにかけるなんてなんだか気味が悪いけど、考えてみたら現在でも性を売り物にしているところでは人間をショーウィンドウに立たせて販売している所があるよなー。
さて、歴史をたどる旅、これにて終了。
早っ!!
というか、街全体が歴史にあふれているので街歩きを楽しむことにしよう。(ということにしておこう)
City Marketがあるというので行ってみたら、中はほとんど土産物屋さんだった。
ファーマーズマーケットみたいなのを想像していったのでがっかり。
その街並みの美しさが人気のチャールストン。
17~18世紀の建物がしっかりと残っていて、現在もちゃんと使われているんだとか。
古めかしい雰囲気がとても良い。
しかし、東海岸、南部は本当に教会が多い!
同じ通りに3-4ブロックはさんで教会が点々と建っていたりするんだけど、そんなに必要あるの?
道路わきに点々と植えられている椰子の木たちが、南にやって来た気分にさせてくれる。(実際のところ、2月はジャケットがないと寒い)
多くの歴史的観光地でよくあるように、ここ、チャールストンでも馬車を借りて市内ツアーをすることができる。
偶然その厩舎を通りがかって覗いてみたら、係の人が「中に入って馬をなでなでしていいよー」と言ってくれた。
ビビりの息子はおっかなびっくり馬を触る。
馬車を引く馬は通常の乗馬用の馬よりもずっと大きくてたくましい。
でもどの馬もフレンドリーでいい子たちだった。
レインボー・ロウと呼ばれる色とりどりの建物が並ぶ通りは人気の観光名所の一つ。
このマネキンどうなの(笑)
街歩きを堪能した後は、海の方へ足を延ばすことに。
White Point Gardenには樹齢何年なのか気になる木(気になる木~♪)がたくさん。
裏道を歩いていたら、昔の刑務所があった。
その隣には孤児院が。え、親がしょっ引かれたら子供をここに入れろと・・・?
バナゴン発見!しかもアラスカナンバー!Long way from home.
チャールストンは、服屋さんやレストランが並ぶキングストリートをまっすぐに南に歩いて海を眺めて、そこから東側の観光名所を見て回ると効率が良い。
キングストリートを歩いていた時、
なんか観光地臭いな~。チャールストン、ほんとにきれいな街なの~?
と、疑惑が沸き起こったんだけど、南に行くにつれその街並みがどんどん古めかしいステキなものに変わって行く様子がよく見て取れるので面白かった。
もっとアメリカの歴史を学びたい!という意識の高い方には、南北戦争の舞台となったサムター要塞がお勧め。
フェリーに乗って30分の距離にある島なので私たちは行かなかったんだけど(意識が低い部類の私)
というわけで、お次は同じく街並みがきれいと評判のサバンナへ!