ニューメキシコの西に位置するヒラ・ナショナルフォレストは、Gila と書いてヒラと読む。スペイン人が名付けたためスペイン語の発音らしい。
この山には、1200年頃、モゴヨン文化を持つ遊牧民が一定期間住んでいたと言われる洞穴住居があって、私たちはそれを見にここまできたのだ。
しかし、ただひたすら何もない道のり・・・。
ひまだからコーヒーでも飲んじゃおう。
道路標識には銃の標的にされた跡が。
周辺のキャンプサイトを調べてみると、なんと温泉付きのサイトを発見。
ヒラの山には結構温泉が湧いているところがあるみたい。
Gila hot springs Campgroundは、キャンプ場と温泉入り放題で一泊一人8ドル。日帰り入浴でも5ドルとかなりお手頃価格。
もう2日シャワーに入っていなかったので、温泉付きキャンプサイトはかなり魅力的だった。
ホワイトサンドからは結構遠いので2日後に予約したかったんだけど、週末は予約でいっぱいとのこと。
仕方がないので頑張って長時間運転して1日で到着~!
ぬるめの屋外温泉が外に3つ。
そして、この景色!最高~!!
温泉に癒された後は、いよいよ目的のGila Cliff Dwellings National Monument へ!
この岩の裏側が洞穴住居らしい。が、駐車場側からは見えない。
ここは、食べ物の持ち込みは不可。ガム等も野生動物の嗅覚を狂わせるのでダメなんだって。
1マイルほど、急な坂道を登る。
途中、親切なおばさんに家族写真を撮ってもらったり。
洞穴のようになっている、アレが昔の人の住居(Dwelling)。
この住居群は、5個の洞穴が使われていて、中は全部で46部屋に分かれている。
キッチンやリビングルーム、寝室はもちろん、貯蔵部屋のようなところもあった。
10-15家族が住んでいたと思われていて、この洞穴から渓流をはさんだ反対側の平坦な場所ではコーンなど作物を作られた跡も残っているらしい。
最初は、洞穴にかまどを作っただけの簡単な住居だったよう。
そのうち、寒さから身を守るためか石や木で壁や天井を作り始めた。
上の住居部分にはレンジャーがいて、いろいろ話を聞かせてくれる。
パークレンジャーって、ほんと博識。どんな質問にも丁寧に答えてくれて勉強になるなぁ。
この住居、こんなに緻密につくられた割に一世代だけ住んだのちに放棄されている。そしてその理由はいまだ解明されていない。
そもそも遊牧民だった彼らがなぜここに住居を構えて住もうとしたのかもわかっておらず、レンジャーによると同じ時期に他の地域でも似たようなことが起こっていることから、もしかしたら気象の変化等が彼らを別の地へ追いやったのかもしれない。
洞穴の中は、夏は涼しく冬は雪や寒さから身を守れる。
それにすぐ下(といっても1マイルも下だけど)に川も流れているし、狩りができる動物もたくさんいたんだろう。
それにしても、こんなところに住まなくても。。。と、現代人の私は思ってしまうのだった。
サボテンサボテン
ハートのサボテン
Dwelling のあとは、Catwalkという所へ。
岩に遊歩道が設置されていて、川の真上を歩けるようになっている。
もう高さが怖いと感じる年なのか、息子は慎重に歩を進める。
遊歩道の先は谷に降りれるようになっていて、そこからさらに先に進むことができる。
でも、結構険しい道のりみたいなので私たちは川遊びをして戻ることにした。
Gila National Forestには、たくさんのキャンプサイトがあって、ほとんどが無料!
ただ、トイレはぼっとんでシャワーや水道がない所が多いので、各自飲み水だけは準備していく必要がある。
メインロードから舗装されていない道を6マイル走ったところにあるPueblo Park Campgroundは、各サイトが広々としていてハイキングトレイルも近くにあってなんだかワシントン州に帰って来たみたい。
ただ、馬を連れてくる人が多いので馬の糞がそこらに落ちている。燃料になるなあー。
月のない夜は星がとてもきれい。
人気がなくて、シンと静まっている森はなんだかとても厳か。
で、翌日。
宇宙に夢を馳せるBlazのリクエストでやってきたのはここ、 Karl G. Jansky Very Large Array(超大型干渉電波望遠鏡群)
ここでは、27個の巨大なアンテナで宇宙の微弱な電波をとらえたり、ギャラクシーやブラックホールの様子を見たりすることができるらしい。
銀河系に詳しくない私はちょっとちんぷんかんぷんなのだけど。
宇宙飛行士にでもなってくれ、息子よ。
そして、またなーんにもないまっすぐな道をずーっと走っていく。
途中、やたらシェイクが飲みたくなった私たちはアメリカンなダイナーでランチ。
これぞ、アメリカロードトリップ!!!
日本からわざわざGila National Forestに来る人は少ないかもしれないけど、なんか案外見どころがあって楽しい所だった。
それでは、本格的に暑くなる前にアリゾナへと出発~!