ペンシルベニア州最大の街、フィラデルフィア。
ニューヨークやワシントンDCから車で2-3時間の距離にあるこの街は、1776年7月4日、アメリカ独立宣言が行われた地でもあり、アメリカ人にとってはとても重要な場所。
イギリスに統治されていたアメリカが、基本的人権や革命権を訴え、
全ての人間は平等で、生命、自由、幸福を追求することができると唱えたアメリカの独立宣言。
「全ての人間」とはいっても実際のところ、ネイティブアメリカンや黒人奴隷、女性の権利についてはその後も不平等なままっだったのだけど。まあそれはさておき。
そんな先人の築いた軌跡をたどりながらフィラデルフィアの街を一日散策することにした。
まず私たちが向かったのは、マジックガーデン(Philadelphia’s Magic Gardens )と呼ばれる、アートギャラリー。
いや、歴史とかぜんっぜん関係ないところから出発してすいません。
1960年代、地元アーティストの Isaiah Zagarとその妻が、フィラデルフィア・ダウンタウンのサウスストリート周辺を美しくしようと地域の壁などにガラスや陶器、鏡の破片でモザイクアートを造り出したのが始まりとなったこの場所。
その後、他のアーティストと協力して数々のアートを生み出し、大規模なモザイクアートを公開する「マジックガーデン」が出来上がったんだとか。
その影響でアートがいっぱいのこのエリアは、ただ歩いているだけでとても楽しい。
建物も、カラフルにペイントされていて可愛いし。
マジックガーデン周辺の建物はモザイクで埋め尽くされている。
入場料は大人$10。ガーデン横の建物でチケットを購入することができる。が、私たちは周辺を見て回って満足したのでスルー。
ここ、ピッツバーグで行った「ランディランド」みたいなところかなーと思ったんだけどもっとちゃんとしたアートだった。個人的にはランディランドの方が好き。
冬の初めの空は澄んでいてきれい。
フィラデルフィアといえば、チーズステーキ!
通りがかった時、とてもいい匂いをさせていた「Jim’s steak」というお店に入ってみることに。
チーズステーキ、と言っても肉の塊ではなく、薄切り肉と玉ねぎを炒めたものを長いロールにサンドして、トロトロのチーズをかけたものがフィラデルフィア・チーズステーキ。
ジューシーな肉がトロトロチーズと絡まってウマー!しかし草食化が始まっている30代にはちと重い。
お昼なのもあって、大混雑の店内。どうやら人気のお店らしい。
お腹もいっぱいになったので、ようやく観光する気分になってきた。
ちょうど、⇓こんなかんじ。
1713年~1836年に建設されたアメリカ最古と言われる住宅街・エルフレス小径(Elfreths Alley)へ。
1ブロックほどの長さの石畳の小道に、赤いドアや窓辺の鉢植えが可愛らしいビルが立ち並ぶとてもかわいらしい小道。
現在もここには住んでいる人たちがいて、住人はこの古い歴史的な景観を壊さないようにモダン機器(テレビやオーディオ等)が窓から見えないように配慮しなくてはいけないんだって。
ハロウィーンに彫られたと思われるベンジャミンフランクリン。
こんな、ビルに残るペイントもかわいい。
初めてアメリカの星条旗を作成した女性だと言われている、ベッツィー・ロスの家。
しかしその証拠が文献に残っていないことからこの事実を懐疑的に見る専門家も多いのだとか。
ベンジャミン・フランクリン像。顔が怖い。
そして、ベンジャミン・フランクリンのお墓発見!
下調べせず(また!)偶然見つけたベンジャミンのお墓には、ペニーがいくつものっていた。
なんでみんな記念碑とかにペニー投げるのかな・・・?
ちなみに、ベンジャミン・フランクリンの両親のお墓はボストンにある。→Oldestが詰まったボストンクリーム
ここ、墓場のくせに3ドルくらいの入場料を取る。でもフランクリンの墓は道沿いにあって柵の外から覗くことができるので入る必要はなかった。案外、質素な墓だ。
お次はNational Constitution Center
米国憲法にまつわるこのミュージアムは、アメリカ人が憲法についてもっと認識を高められるように、と、当時大統領だったロナルド・レーガンによって認定され建てられた。
歴代の大統領の肖像画写真。1/5くらいしか知らないという歴史オンチぶり。
ミュージアムを出て、自由の鐘(Liberty Bell)を見に行くことに。
入り口で厳重な荷物チェックがある。ベルを壊そうとする人でも過去にいたんだろうか。
と思って調べてみたら、2001年にネブラスカ州から来た男がこのベルをハンマーで叩きながら「神は生きている」とかなんとか叫んだらしい。
そのせいか・・・。全く迷惑な。
アメリカの独立、奴隷制度の廃止や、アメリカ国民の自由の象徴となったこの鐘は、もともと、ペンシルベニア州議事堂で使用される目的でロンドンで造られた。
しかし、アメリカに到着し、音を確かめるために初めて鐘を鳴らしたら、なんと第一打でヒビが入ってしまったという。
これにはお偉い方も周囲の見物客もがっかり。だよねぇ。
その後、修復されたり再築されたりして使用が続けられたものの、1846年、ジョージ・ワシントンの誕生日を祝って数時間鐘を鳴らし続けたところ、亀裂が広がってついに使用不可能になったんだとか。
リバティベルセンターには奴隷制度開放についても詳しくわかりやすく展示されていて興味深かった。うちの息子殿が大人しくしていてくれたならもっとゆっくりと展示を見たかったなぁ。
自由の鐘を見た後は、独立記念館(Independence hall)へ。
ここは、独立宣言や憲法について話し合われ、採用された場所。
ビルの前に建つ、堂々たるジョージ・ワシントン像。
ここ、中を見るにはツアーに参加する必要があるけど、料金は無料でビジターセンターでチケットを貰うことができる。
戦争を戦った軍人のためのメモリアル。Tomb of the Unknown Revolutionary War Soldier
飽きてきた息子様を公園で開放。超うれしそう。
走り回っていたら、奇妙な物体を発見。なにこれ・・・?
あ、ラウンドのチーズ!!しかもかじった跡アリ。誰がこんなところにチーズを放置したんだろう。。。
ちょっとはまりすぎなおじさん。
First bank
歴史的な建物を通り抜け、このパークの東端までやってくると見えてくるのが1773年から営業しているCity Tavern。(写真撮るの忘れた!)
ここで、アメリカ建国の父と呼ばれるベンジャミン・フランクリンやトーマス・ジェファーソン、ジョージ・ワシントンといった顔ぶれが集まりビール片手に政治について話し合ったりしていたのだ。
現在でも、18世紀頃のレシピをもとにつくられた料理や、著名人の愛したビールを復元したものを提供するこのレストラン。年に2回ビールを醸造していたというトーマス・ジェファーソンのレシピで造られたビールも味わうことができる。
お値段はちょこっと高めだけどフィリーに来たら絶対行く価値のあるお店!
私たちは、とういと、チーズステーキを食べた後で満腹だったので入らなかったんだけど。 (-ノ-)/Ωチーン。
さて、アメリカ建国の歴史を堪能した後は、アートを堪能しに行くことに。
フィラデルフィアには見ごたえのある美術館や博物館がたくさんあって、1日ではとても回りきれない。
中でも、Philadelphia Museum of Artは必見の美術館。
でも、子供がまだ小さくて何時間も私たちに付き合ってくれないこともあり、普段はあまりミュージアムに行かない私たち。
今回も美術館はパスしようと思っていた。
そしたら、なんと、毎月第一日曜日は、「Pay-What-You-Wish」の日だというのを発見!
ちょうどフィラデルフィアを出発する日が第一日曜日だったので、早起きして美術館へ!
かの有名な映画「ロッキー」で、ロッキーがトレーニングのため駆け上がった階段がこの美術館の正面入り口。階段の下にはロッキー像も設置されていて、怪しげな物売りがロッキーTシャツを売っていた。
ここ、長い階段になっていてスロープがないので、ベビーカーを持ち込むなら建物の裏側に回ろう。
普段の入館料は大人$20。でも第一日曜日の今日は、受付で自分の払える分(もちろん、びた一文出したくないというならそれでもよし)だけ払って入館することができる。すばらしい~!低所得者や私たちのような貧乏旅行者には本当に嬉しいサービス!
チケットを貰って気が付いたんだけど、この同じチケットで最寄りのロダンミュージアムとHistoric Houses Cedar Grove & Mount Pleasant にも入場することができるらしい。ヽ(*゚O゚)ノ スゴイッ!!!
2日間有効なので、フィリーを発つ日じゃなかったらロダンも見に行きたかった!!!ああっ、やっぱりツメが甘い私たち!
まあ、そんなことを嘆いても仕方がないので久しぶりに芸術を楽しむ。は~美術館楽しい。
あ、なんかお母さんが好きそうな絵画。と思ったらピカソだったYO。無知でごめん。
武器と防具の展示がおもしろすぎた。
こんな重いもの装着して戦ってたんだから昔の人は体力ものすごかったんだろうな。
そして、シティホールを後ろ目にフィラデルフィアに別れを告げた。
次は、アメリカで一番初めにできた州、デラウェアへ!!