私たちがフロリダに出発する前にふと、義父がこう言った。
「そういえば、2月あたりにフロリダにあるスペースセンターでロケットの打ち上げを公開しているらしいよ。」
ロケット!?
打ち上げ!?
それを聞いて、ロマンの男Blazが黙っているはずがない。
早速、打ち上げ時期について情報をかき集める。
John F Kennedy Space Centerのウェブサイトによると、人工衛星の打ち上げ予定日は1月30日。
ちょうどフロリダを南下する時期とかぶっていたので、スペースセンターからほど近い州立キャンプグラウンド、Manatee hammockに予約をとることにした。
アメリカには、RV Parkと呼ばれる大型キャンパー向けのキャンプ場がたくさんある。
このManatee hammockもそんなRV Parkの一つで、海沿いにある敷地には所狭しと巨大なキャンピングカーが並び、その所有者はだいたい定年を迎えた年配のカップル。
どうやら、キャンプ場にはシルバー価格と言うものが存在するらしい。
あまりやることもないのでキャンプ場の探検開始!
この巨大なキャンピングカーは、両サイドが広がるようになっている。
中にはシステムキッチンやダイニングテーブル、クイーンベッドが収められ、もちろんトイレ・シャワー付き。
日本の貧乏学生のワンルームアパートよりも広くて快適なこと間違いなし。
しかも、横には小型犬用のテントまであるじゃないか。さすがに、これは大きすぎる。
トイレもシャワーも完備でこれくらいのサイズなら許容範囲。
というか、子連れならこれくらいのスペースは欲しいかも・・・。
車で引っ張るタイプのキャンパー。
キャンプ場にこれを残して車を自由に使えるのは魅力的。
これも、引っ張るタイプ。
ただ、大きくて重いので引っ張る車にはそれなりの馬力が必要になる。
丸っこい形が可愛い引っ張るタイプのキャンパー。
このタイプは背の高いBlazにはちょっと天井が低いらしい。
そのなかで、我らがWesty 。なんだかちんまりとして居心地が悪そう。
長期滞在する人が多く、中には鉢植えを並べてガーデニングまでしてしまう強者も。
確かに、電気も水道もあるし、シャワーも完備だし、住めるよなぁ。
キャンプ場に問い合わせたところ、同じサイトにもう一台車が泊まっても追加料金がかからないというので、オカラで出会ったバナゴン仲間・テイラーとニナを呼ぶことにした。
わーい!キャンプ仲間~!
2か月くらい旅してる彼らも、キャンプ場をシェアするのはこれが初めてだったらしい。
いいなー、日よけ欲しいなー。
そして、なんと、彼らは簡易オーブンを持っていた!!!
コールマンのキャンプ用コンロにのっけて使うもので、これが案外本格的に焼けるらしいのだ。
さっそく、出来合いのチーズスティックを焼いてみる。うむむ、なかなかいける。
その夜は、ドイツ人のニナと(アメリカ人の旦那たちを横目に)アメリカの異常な習慣についての話で盛り上がり、すっかり打ち解けた私たち。
翌日、彼らは打ち上げまでバードウオッチングに行くというので、私たちはキャンプ場に残ってスペースセンターの情報をチェック。
ロケット打ち上げは、ちょっとの気象の変化でキャンセルされることがよくあるらしいのだ。
そして、打ち上げ予定時間の1時間前。
何気なくスペースセンターのウェブサイトを開いてみたら、打ち上げ予定日が明日になっている。
えっ!
まさか、まさか、この土壇場でキャンセル!?
キャンプ場は2日間予約してあったけど、明日は2時間ほど運転して次のAirbnbに行かなければならない。
翌日のロケット打ち上げ時間は午後4時25分。
しかも、その時間きっかりに打ち上げられるとは限らない。
こ、ここまで来て、打ち上げが見られないなんて・・・。
その夜は寒波がやって来たのか、フロリダなのに気温は5度を下回り、長袖を何枚も重ね着しても震えるほどの寒さ。
日中は、実家で直したと思っていた水タンクから水漏れしているのが見つかって結局直すことができなかったし、打ち上げもキャンセルになるし、なんだか散々な一日だった。
↓キャンプ場で冷蔵庫を外して水のタンクをチェックするBlaz。頼りになるわー。
そして、気を取り直して次の日。
昨日テイラーとニナがバードウォッチングに行っていたエリアがとても良かったというので私たちも行ってみることに。
ロケットが見られないのなら、せめて野生のワニを息子に見せてやりたかったのだ。
亀とか、ワニとか、蛇とか、いろんなものが道路を渡るので気を付けましょう。
とか言ってたらワニ発見!!!
見て見て!
と振り返ったら・・・
息子、寝てるーーーー!!!
またまたワニ発見。しかし息子はまだ夢の中。。。
残念。ワニさんにハイファイブするって張り切ってたのに・・・。
この小さなカモが可愛すぎた。
長老的な貫禄を醸し出すこの鳥。名前が知りたい。
やたらピンクな鳥が飛んでいたので、フラミンゴ―――――!て興奮したら、Spoonbillという名前の鳥だった。
これがスプーンビル。
飛んでないときはあんまりピンクじゃないんだね。
この鳥、フロリダ中でよく見るんだけど、いっつもこうやって羽を広げていて面白い。
もう一匹、ワニ発見!今度は息子もちょうど起きてて見ることができた~!
さすがにハイファイブはできなかったけど、見れて良かったね。
さて、どうも今日は予定通りロケット打ち上げが行われるらしい。
せっかくだからと、遅くなることを覚悟で見に行くことにした。
スペースセンターに行って、間近で打ち上げを見学することも可能なんだけど一人50ドルとかかかるので却下。
最寄りのビーチから無料で見学することに。
30分前にはもうたくさんの人が集まっていて、ロケット見学の準備をしている。
奥に見えるのが、打ち上げ台。あれが、今日のロケットかな・・・?
ビーチで遊んでいると、先方にいた人が「あと1分~!」と叫んで教えてくれた。
期待が高まる。
1分ほど経過。あれ、打ち上げは、まだ・・・?
と、ビーチから見えていた打ち上げ台の右側になにか光るものが。
あ、ロケット!!
見えていた打ち上げ台は今日のものじゃなかったらしい。
間抜けすぎる・・・。
打ち上げられたロケットはすごい速さで高く高く青い空に昇っていって、そして煙だけを残して消えて行った。
周囲からは歓声が上がり、拍手が聞こえる。
なんか、こうやって一つのイベントを知らない人同士が集まってみんなで楽しむって、いいな。
ロケット打ち上げ、見に来て本当に良かった。
さて、目的も果たしたしところで急いで車に乗り込んでAirbnbへ。
しかし、最短距離で1時間半ほどで着くはずだったその道で道路を封鎖するほどの事故があり、回り道回り道を繰り返して結局目的地到着までに3時間。はぁ~(*´Д`)
翌日、郊外のAirbnbでキャンプの汚れと疲れを癒しつつ、Blazが水のタンクの水漏れ箇所をチェックしていると、コンクリートにピンク色の液を見つけた。
なんか、嫌な予感・・・。
液の出どころを確認してみたら、どうも冷却水とトランスミッション液が混ざって溢れてきているよう。
まだたっぷり入っているはずのトランスミッション液もほぼ空っぽ。
これは大変!急いでオートショップへ走り液を補充する。
でも、漏れてるんだよね。まだ。
しかも、運転すると、コトンコトン音がするんだよね。
あの、去年アクセルが壊れたときみたいなイヤーな音が。
ああもう、この車、故障せずに走るこはできないのかい!?
もうリペアにお金かけるのうんざりだよー!
とにかく、この周辺にはバナゴンを扱ってくれるショップがないのでマイアミまで液を補充しながら走ることにした。
はぁぁぁぁーーーーーーー。