【キューバ】世界に翻弄されるキューバ・その歴史とアメリカとの関係

 

 

日本で2か月飲んで食って遊んで英気を養ったあと私たち家族が飛んできたのは、キューバ

 

 

キューバと言えばアメリカとは根深い因縁があり長い間アメリカ人がキューバを個人で訪問することは禁じられていました。

では、私のアメリカ人の夫はいったいどうやって入国したのでしょうか。まさか密入国!?

 

 

いえいえ、アメリカ人でもキューバに行く事ができるんですよ!

 

 

今日は、私たちが実践したアメリカ人がキューバに合法で入国する方法という、日本人にはまったく役に立たない情報を発信したいと思います。(いつかアメリカ人とキューバに行くときのために読んでね!)

 

 

 

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アメリカ人がキューバに入国できない理由

 

私は、アメリカ人と結婚してはじめてアメリカ人はキューバに行くことができないと知りました。

 

アメリカ人ってキューバ行けないのかぁ。キューバとアメリカってすんごい仲悪いんだな~。(世界史の知識ゼロ)

 

でも、なんで?

 

 

というわけでここでキューバとアメリカの歴史について調べてみることにしましょう。

 

 

キューバの歴史を昼ドラ仕立てでざっくりご紹介

 

調べてみると、なんだかアメリカやスペインのような大国に翻弄されているキューバ。

その歴史は、昼ドラも顔負けなくらいドロドロでややこしいのです。

 

まずは、アメリカ大陸がヨーロッパからやって来た人々に発見されたところから物語が始まります。

 

 

ヨーロッパに発見されたキューバ

 

1492年、キューバは突然やって来たヨーロッパの集団に自由を奪われます。

 

㋵ オラオラオラ~、今日からここは俺たちの土地だ!働け働け~!

㋖ あなたたち誰!?勝手に人の家に入ってこないでちょうだい!

 

そしてヨーロッパの集団は、キューバに免疫のなかった病気を広め、無理やり過酷な労働を押し付け、キューバを滅ぼしてしまうのです。

 

 

スペインによる統治

 

1511年、ヨーロッパ集団の中から、スペインがキューバを束縛するようになります。

 

㋜ 今日からおまえは私のものだ!かわいがってやるからな!うへへへ

 

スペインにもキューバへの愛はあったのでしょう。なにせ、キューバはとても美しい国ですから。

 

しかし、束縛の理由はキューバの持つもうひとつの魅力・立地でした。

 

キューバはスペインにとって、中南米とヨーロッパを行き来するときに休憩場所としてちょうどよい場所だったのです。

 

スペインは、キューバを利用しながらじわじわと中南米にも魔の手を伸ばしていきます。

 

しかしその間、キューバが指をくわえてぼーっとしていたわけではありません。

 

㋖ そうだ、砂糖を作って売ろう!お金ができれば自由になることができるかもしれない!

 

キューバは砂糖をどんどん作って売り、自由を夢見て寝る間も惜しんで働き続けました。

 

 

アメリカとの出会い

 

キューバは、何度もスペインにキューバ解放を懇願します。

しかし、答えはいつもNO。

 

そんなとき、キューバの砂糖を気に入って買い取っていたアメリカがだんだんキューバの中で大きな存在になって行きます。

 

㋖ 最近スペインは束縛が強くて支配的。アメリカの力を借りることができたらこの状況から抜け出せるんじゃないかしら・・・?

 

 

立ち上がるキューバ

 

とうとうキューバは行動に移すことにしました。

スペインと真っ向から戦うことを決意したのです。

 

1868年に始まった1回目の戦いは、圧倒的な力を持つスペインにうまく丸め込まれて終わります。

 

㋜ キューバ、愛しているのはおまえだけだよ。自由になりたいなんて言わないでおくれ。

 

しかしその後もスペインの支配的な態度は変わらず、キューバは力強いパトロンになっていたアメリカの力を借りて2回目の勝負に出ることにしました。

 

1895年のこの戦いではさすがのスペインも、大きな力を持つアメリカを前に負けを認めざるをえませんでした。

 

㋜ か、勘弁してください。ほんの出来心だったんですよ。キューバは差し上げますから。へへっ。

 

そしてキューバは、自由を手に入れたのです!

 

と、言いたいところですが、そこは昼ドラ、ハッピーエンドでは終わりません。

 

ここから、力を持ったパトロン、アメリカのキューバへの支配がはじまるのです。

 

 

キューバついに独り立ちか

 

1902年にキューバは共和国となります。

しかし、事実上アメリカの支配下にあることは変わりありません。

 

㋖ スペインから逃れられたのはいいけど、アメリカは私が手塩にかけて作った砂糖産業をコントロールしようとしている。このまま信用していいのかしら。

 

 

大戦の影響

 

1920年に第一次世界大戦がはじまり、ご近所にあったハイチの砂糖工場が稼働不能となったことで、キューバの砂糖は飛ぶように売れました。

しかし砂糖では成功したものの、キューバの生活は苦しいまま。

 

㋐ 今月の売り上げをよこせって言ってるんだよ!アメリカ様に楯突くとどうなるかわかってんだろうな!

㋖ それを持っていかれたら子供たちどうなるの!?満足に食べ物もあげられないじゃない!

 

そのころ、キューバにはバティスタという子供がいましたが、バティスタは力のあるアメリカにゴマをすってばかりいました。

キューバが手掛けた砂糖やたばこの利益をアメリカに流していたのもこのバティスタです。

 

 

キューバの秘蔵っ子

 

アメリカびいきのバティスタを倒すため、キューバを愛するもう1人の子供、フィデル・カストロが仲間を集めてバティスタ退治に出かけます。

しかし敢え無く返り討ちにあい捕まってしまいました。

 

カストロが弁護士で地位のある人物だったのもあり処刑は免れましたが、キューバにいられなくなったのでメキシコに養子に出ることに。

 

しかし、そこで引き下がるカストロではありません。

1956年に医師であったチェ・ゲバラなどの仲間を引き連れキューバを助けることを決意。

 

しぶとく仲間を集めながら勢力を拡大したカストロ達にじわじわ追いつめられたバティスタはついにキューバを離れ、ドミニカ共和国に擁護を求めました。

1959年、めでたくカストロが勝利し革命政権が誕生したのです。

 

 

アメリカとキューバ・なぜ国交断絶が起こったのか

 

カストロは、砂糖産業などのアメリカに支配されていた事業をキューバに取り戻し、医療の無償化やキューバの子供たちが無料で教育をうけられるように生活を変えていくことに成功しました。

キューバの産業で肥え太ったアメリカの暴力団に流れていた資本を国内にとどめるように改革したのです。

 

バティスタを失いキューバをコントロールできなくなったアメリカは、この変化が面白くありません。

 

㋐ アメリカ様に楯突くとはいい度胸だ。アンタのとこの砂糖は今後一切買い取らないからな。他の国にもキューバとは取引しないように根回ししてやる。

 

1960年、アメリカからの嫌がらせを受け困ったカストロは、そのころアメリカと対立していたソ連を味方につけることでキューバを守ろうと考えました。

 

こうして、アメリカとの関係はますます悪化していきます。

 

㋐ あのカストロってやろうは邪魔だな。なんとか消すことはできねえかな。

 

アメリカは何度もカストロを暗殺しようと計画しますが、敢え無く失敗。

 

カストロの暗殺未遂はなんと638回にものぼり、「暗殺されそうになった回数が最も多い人物」として2011年にギネス登録されることになったそうです。

 

 

キューバ危機で一触即発

 

共通の敵、アメリカをもったキューバとソ連はどんどん親密になって行きます。

 

㋖ ソ連さん、アメリカが攻めてきたら困るのでうちに核ミサイルを置いてもいいから武器とか分けてくれませんか。

㋞ そういうことならお安い御用ですよ。一緒にアメリカに一泡吹かせてやりましょう。

 

しかし、キューバに核ミサイルが設置されたことを知って激怒したアメリカ。

 

㋐ そっちがその気ならやってやろうじゃねえか!戦争じゃ戦争!!

 

長い間緊張状態にあったソ連とアメリカですが、核戦争はさすがに避けたい両国。

 

㋞ アメリカさん、キューバを攻撃しないっていうなら核ミサイルは撤去しますけどどうですか。

㋐ そうですな。お互い無駄な血を流すのはやめときましょう。

 

そうして交渉成立。核戦争(第3次世界大戦)の危機は去ったのです。

 

しかし、この交渉はキューバ抜きで行われ、カストロは大激怒。

 

㋖ ちょっ!なんでキューバ抜きでそういう大事な事決めちゃうわけ?ミサイル撤去とか聞いてないから!

㋞ いや、戦争とかやっぱやめたほうがいいでしょ。アンタちょっと冷静になったほうがいいよ。

 

 

ソ連の崩壊とキューバの貧困

 

ソ連が崩壊してから後ろ盾を失い、経済に打撃を受けたキューバは物資不足に陥ります。

 

食べるものもなく、空腹に耐えられなくなった人々は生き残るために何でも食べたそうです。

 

キューバで有名な料理・Ropa Vieja(古い服という意味)にはこんな一説があります。

 

ある日食べるものに困ったお爺さんが、お腹を空かせた家族にひもじい思いをさせないようにとボリュームを出すために自分の古くなった衣類を裂いてスープに入れて、お祈りをします。

すると、その思いが届いたのか裂いた布は肉に変わり、具だくさんのおいしいスープになりました。

 

それほど食べ物に困っていたキューバ。

 

しばらくは頑固に態度を変えなかったアメリカですが、弱り切ったキューバを見て心を痛めたのでしょうか。救いの手を差し伸べはじめます。

 

㋐ ソ連もいないことだし、そろそろお互い意固地になるのはやめないか。

 

こうして、半世紀以上対立していたふたつの国は少しずつ歩み寄ることになったのです。

 

 

一件落着・めでたしめでたし。

 

 

キューバとアメリカの歴史、昼ドラ仕立てでお送りしました。

え、わかりづらい?

もっと詳しくキューバの歴史を知りたい方には、こちらのサイトがわかりやすいですよ。(まる投げ)

 

 

その後・・・

 

2016年にオバマ大統領が現職大統領では88年ぶりにキューバを訪問し、長いこと閉ざされていたハバナのアメリカ大使館も再開してこれから関係が回復すると誰もが思いました。

 

しかし、アメリカ大統領がかわりその関係はまた緊張化。

2国間で現在もさまざまな問題が解決しておらず、完全な国交回復はしばらく先になりそうです。

 

 

 

アメリカ人がキューバ入国に必要なのは「旅の目的」

 

ここで、アメリカ人のキューバ訪問に話を戻しましょう。

 

国交は回復しつつあるものの、まだアメリカ人は個人でキューバに行けないもんだとずっと思っていた私たち。

 

そんなとき泊まっていたキャンプ場で仲良くなったアメリカ人とドイツ人の夫婦が、キューバに旅行に行って帰って来たばかりだとききました。

 

え、アメリカ人でも行けんの?

 

彼らによると、現在のキューバはアメリカ人に対して昔ほど規制が厳しくなくて「目的」があれば入国することが可能なんだとか。

 

 

アメリカ人がキューバに入国するために必要な目的は以下のどれか

 

  • 家族訪問
  • 政府関係の公的訪問
  • ジャーナリズム(トラベルブログを書くためは不可)
  • 専門的な研究
  • 宗教活動
  • 公演
  • キューバ人のサポート
  • 教育的活動・ツアーに参加しての旅行
  • 人道的援助
  • 民間団体の研究、教育活動
  • 情報の輸入・輸出・取引
  • 決まった輸出業務

 

まあ、普通のひとにはあてはまらないものばかりですね。

 

ここで注目したいのが「キューバ人のサポート」と「教育的活動・ツアーに参加しての旅行」

普通のアメリカ人がキューバに旅行をするとしたら、この2点に絞られることになります。

 

「教育的活動・ツアーに参加しての旅行」は、その名の通りアメリカからツアーに参加してキューバに滞在するもの。

ツアーには、プランテーションを見学するものやキューバの歴史をたどるものなどいろいろあります。

 

でも、ツアーって高い!

 

というわけで貧乏人な私たちはツアーではなく、個人で「キューバ人のサポート」を目指すことにしました。

 

 

キューバ人のサポートって、具体的になにするの?

 

要は、キューバに住んでいる人にお金を落とせばよいのです。

 

キューバ人が営むレストランでご飯を食べたり、キューバ人が運営するAirbnbに泊まったり。

その証拠としてレシートを集めたほうがいいという事も聞きましたが、キューバでレシート出してくれるところってあんまりないんですよね。

 

アメリカ人の夫は、「キューバ人のサポート」に使命を感じたのか、困っているキューバンがいたら手を差し伸べ、レストランで出会ったキューバ人の恋愛相談を受け、なるべく民営のレストランでご飯を食べるようにしていました。

 

そうして3週間のキューバ旅行からアメリカに帰国。

 

アメリカに入国する緊張の一瞬!

 

入国審査の人:3週間キューバにねぇ・・・。何しに行ったの?

夫:ちょっと、キューバ人のサポートをしに・・・。

入国審査の人:ふ~ん。そうなんだ。(スタンプガシャン)はい、いいですよ。

 

 

全然問題なし~!

 

 

サポートの証明なんかもぜんぜん要求されず。

他の国から帰ってきた時よりも質問が多かったような気はするけど、あっけなく入国が済んでちょっと拍子抜けでした。

 

ただ、政治が変われば決まりも変わります。

私たちはなんの問題もなかったけど、中にはいろいろねちっこく質問され罰金を要求された例もあるようなので、渡航は個人の責任で決めてくださいね!

 

 

アメリカとの国交回復が進むキューバには早めに行く事をおすすめします

 

 

キューバは本当に美しい国で、スペインやアメリカがこの土地を欲しがったのがわかるような気がします。(利益のためだったとはいえ)

 

多くの人が語るキューバの魅力は、その時が止まったようなレトロ感。

 

街中どこを見回してもファーストフード店などの外資店舗がまったくありません。

 

しかし、アメリカとの国交が回復してアメリカ資本が流入するようになればキューバの都市の風景は一変するでしょう。

 

スターバックスやマクドナルドが街に並ぶハバナ・・・。

あんまり想像したくはないですね。

 

 

キューバに住む人にとっては外資が入ってくることはむしろ歓迎されることなのかもしれませんが、キューバの魅力を壊さないでほしいとわがままな旅人は思うのでした。

 

 

 

 

それでは!

 

 

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