みなさんこんばんは。久しぶりに夜遊びをして疲労困憊な放浪家族です。
11月の初旬、1日と2日はメキシコの大きなお祭り、死者の日でした。
映画、リメンバー・ミーを見たことがある人はご存じの通り、死んだ人たちが現世に帰ってきて家族と共に歌って踊ってワイワイするという、あの日です。
私たちの初めのプランでは11月にはもうメキシコを出ているはずだったので死者の日を見るのは諦めていたんだけど、パンデミックのおかげ(?)でまだメキシコに滞在中!
そうとなれば死者の日を楽しまないわけにはいきません!
でもいったい死者の日ってどんな日なの?
メキシコ・死者の日(Día de los Muertos)の歴史
死者の日には、年に一回死んだ人の魂がこの世に戻ってきて家族と一緒に過ごすことができると言われています。
日本のお盆のようなものですね!(形は違えどどの国にも死者が帰ってくる日があるというのは面白いものです)
死者の日のルーツをたどると約3000年前、コロンブス以前の時代へとさかのぼります。
メソアメリカでは、人は死ぬと死者の国へ行くと信じられていました。
4年かけて9つの過酷な試練を乗り越え、その魂は最終的にはミクトラン(Mictlan)という安息の地にたどりつくのです。
その大変な道のりを少しでも助けるため、この世に生きる家族が死者のために食べ物や水、必要な道具をお供えし始めました。
それがルーツとなって現在のお供え(オフレンダ)の習慣ができたとも言われています。
さらに、死ぬことは次の世界に行くためのステップであることから、死を悲しむことは無礼なこと、という考えだったそう。
そのため、死者の日には亡くなった家族の写真を祭壇に飾り、亡くなった家族の好きだったものをお供えして飲んで歌って音楽を奏でて賑やかに盛り上がるんです。
死者の日っていつ?ハロウィーンとの違いは?
メキシコでお祝いされる死者の日は、よく欧米のハロウィーンと混同されますが全く別のイベントです。
ハロウィーンは10月31日。
アイルランドやスコットランドの古代ケルト人が発祥だと言われていて、10月31日に霊界とこの世の境界があやふやになり死者が戻ってくるとされていました。
そのとき悪霊などが一緒にくっついてくるため、それを追い払うために仮装をして歩いたり火をたいたりするようになったというのが起源。
死者の日は、11月1日と2日。
11月1日は子供たちが帰ってくる日 (el Dia de los Inocentes)
11月2日はそれ以外の大人が帰ってくる日 (Los Fieles Difuntos)
ただ、メキシコではハロウィーンからの3日間がお祭り騒ぎといった感じです。
アメリカのハロウィーン体験はこちらから
死者の日・お供え物(ofrenda)
さて、帰ってきた家族をおもてなしするために欠かせないお供え物がいくつかあります。
亡くなった人のため以下のものを飾るのが一般的なようです。
1. マリーゴールド: マリーゴールドの色と香りが死者の魂を引き付けるとされ、祭壇やお墓にに敷き詰められます。
2. ろうそく: どんなものでもいいようですが、たいてい背の高いガラスの瓶に入ったろうそくが置かれます。
3. 紙の飾り:メキシコの道路やお祭りでよく見かける、色とりどりの紙に切り細工が施されている飾りです。死者の日には、ガイコツやカトリーナ(死者の日のキャラクター)が切り込まれたものが主流
4. 頭蓋骨の砂糖菓子: これも死者の日には欠かせないお供え。シンプルなものから凝ったものまでかわいいガイコツが祭壇に並びます。
5. 写真と好物: 亡くなった人の写真と、その人たちの好物はマストです。子供の場合、気に入っていたおもちゃが供えられることも。
死者の日・フェイスペイント
死者の日のシンボルともいえるガイコツ。
19世紀に風刺画家だったホセ・グアダルーペ・ポサダがアステカの女神、ミクトランシワトル(Mictlantecihuatl)をモチーフに、ガイコツ貴婦人「カトリーナ」を描きました。
それが、現在死者の日になると必ずお目見えするカラベラ・カトリーナ(La Calavera Catrina)となったのです。
死者の日のフェイスペイントももちろん、カトリーナ!
死者の日を映画で見る!リメンバー・ミー
死者の日が日本で知られるようになったのは、2017年に上映が始まったピクサーの映画、リメンバー・ミー(英語名:Coco)の影響が大きいのではないでしょうか。
私たちもメキシコに来る前に一度見て大感動し、メキシコに来て半年以上たってから息子と見直しました。何回見ても泣ける…!(4歳の息子も泣いちゃうほど!)
実際にメキシコに来てから見てみると、また違った角度から話を見ることができて新たな発見がたくさんありました。
たまに使われる簡単なスペイン語が理解できるのもなんか嬉しいw
リメンバー・ミーの舞台は言わずと知れたメキシコ。
物語は11月1日と2日の死者の日をテーマに進められます。
ギターを弾きながら歌うのが大好きな主人公のミゲル。しかしある事情があって、ミゲルの家は音楽厳禁!
そんなおり、町の音楽コンテストに出場することを決めたミゲルですが、それを知った音楽を毛嫌いする祖母に自作のギターを壊されてしまいます。
現世とあの世の門が開く死者の日に、不思議な力が働いて死者の国に迷い込んでしまうミゲルの運命とは!?
うう~ん、あらすじクリエーターには絶対になれないな私。
とにかくメキシコが舞台のリメンバー・ミーはどの年代が観ても感動することうけあいの素晴らしい作品です!ぜひ!
リメンバー・ミー所縁の地
この映画を製作するにあたって、監督のリー・アンクリッチはもちろんのことその製作チームも何度もメキシコを訪れ、たくさんの下調べやリサーチを行ったそうです。
その製作チームがリメンバー・ミーの舞台として選んだのが下の場所だと言われています。
オアハカ
メキシコシティ
ミチョアカン
実際に訪れることができる場所ばかりで、リメンバー・ミーの場所巡りツアーに出かけたくなりますね!
死者の日は亡くなった家族を思う楽しいお祭りだった
死者の日のテーマは「死」であるものの、その実は亡くなった人たちへの愛と尊敬を思いかえすとても大切な行事です。
残念ながら、2020年はコロナウイルスの影響で死者の日のイベントはかなり縮小され、ハロウィーンも例年よりも人出が少なかったよう。
さらに私たちが滞在していたサンクリでは墓地を閉めてしまいました。
死者の魂がかわいそう!!
まあ、死者の願いよりも生きている人の安全を取ったという事でしょうか。
でもサンクリなんてコロナ対策ゆるーゆるなのに。墓場を閉める意味が本当にあるのかは疑問。
せめてお墓だけでも見たい!と思い、マヤ民族の町、チャムラに出かけてみたら、こちらはけっこう賑やかにやっていました。
バンドもたくさん出ていて陽気な音楽が聞こえていました。
子供もお参り。
個人的に、死は悲しむものではないというところがいいなあと思います。
また、機会があったら例年通りの死者の日を体験したいですね!!
普通の日に行ったチャムラの記事はこちら

サンクリについてはこちら

それでは!