みなさんこんばんは、旅を愛する放浪家族です。
北米の旅から日本に帰って来て早1年。
4年間の北アメリカバンライフで撮りためた写真がたくさんあったので5年ぶりに写真展を開催することになりました。
前回は、友達のつてで知り合った旅好き兄弟が経営する、札幌駅北口にある 世界の料理とお酒・ハヤシ商店 にてアメリカの写真を展示させてもらいましたが、
今回はなんと地元の美術館!
美術館での個展はもちろん初めて。飲食店とは広さも客層も全然違います。
この記事が、これから個展をひらきたいと思っている人のお役に立てれば嬉しいです。
こんな悩みを解決したい!
- 写真展や個展をやりたいけどまず何からやればいいの?
- 展示に必要なものは?予算はどのくらい?
- 展示中、会場でどんなことに気を付けたらいいんだろう?
前回、準備期間2週間でやった弾丸写真展についてはこちら↓↓↓

写真展・個展をするためにやること

写真展をやりたいな。
そう思った時が写真展への第一歩です!
いますぐ準備に取り掛かりましょう!
①展示の目的をはっきりさせる
写真展や個展をやるとき、目的は人それぞれだと思いますが
なぜ個展をひらくのか、その目的とコンセプトがはっきりしていれば、展示に統一感がでてきます。
例えば…
- ブログやSNSのプロモーション
- 作品を販売するプラットフォーム
- 他の写真家や作家から批評を受けたい
- ただ自分の作品をたくさんの人に見てほしい
私の場合は、今回の写真展で
4年間旅をして見てきた風景をいろんな人に届けたい!そして写真を見た人が旅したくなってくれたら嬉しい!
という思いがあったので
展示写真も、いかにも作品っぽいものではなく、有名どころを含めた色のきれいな明るめのものを選びました。

②ひとりでやるのか、グループ展にするのかを決める
ひとり展示の特徴
- 気兼ねなく自分の好きなテーマ設定できる
- 展示枚数を多くできる
- 個展をやったと自慢できる(笑)
- 写真仲間がいない私のようなぼっちでもできる
- 費用が高くなる
グループ展の特徴
- それぞれの友人知人が来てくれるので、来場者が増える
- お互いの作品を見ることで刺激を受ける
- みんなでやればこわくない
- 会場費用やDMなどを頭割りして1人当たりの予算を低くできる
- 参加者でテーマをすり合わせる必要がある
それぞれメリットデメリットがありますので、ひとりでやるか誰かを誘うかを自分のやりたい展示と照らし合わせて決めるといいでしょう。
④会場を選ぼう
写真展ができる場所はいろいろありますが、一般的に個展用のギャラリーは値段が高くなる傾向にあります。
自分の予算や展示のテーマに沿った会場を見つけましょう。
カフェやバーなどの飲食店
- 無料または低価格で場所を借りられる
- 不特定多数のお客さんに作品を見てもらえる
- SNSなどで情報が広がりやすい
- 常に会場にいる必要がない
- 堅苦しくない
- 日程に融通が利く
- 壁にピンうちができなかったり、展示に必要な備品がないことが多い
- 照明が展示用じゃない(明るすぎたり暗すぎたり)
美術館や市民センターの展示室など市の施設
- 会場の価格が抑えられる。(1週間2~3万円とか)
- 個展に必要な備品や照明はおおむねそろっている
- 各種イベントや催し物をやっているのでその流れで人が入る可能性が大
- 常時誰かが在廊している必要がある
- 安いので人気があり、予約が取りにくい。
- 作品や物品販売ができないことが多い
ギャラリー
- 個展に必要な備品や照明などがそろっている。
- ギャラリーの顧客がイベント情報をチェックしてくる可能性がある。
- 作品を販売できる
- 常時誰かが在廊している必要がある
- 立地によっては全くお客さんが入らない。
- 値段が高い(1日1万円~)
初めての個展に私が飲食店をお勧めする理由
- 敷居が低い
- 集客のプレッシャーが少ない
- いろんな人に見てもらえる
まわりに写真展をやりたいことを言っておいたら、展示ができる飲食店を教えてくれるかもしれません。
私は友達のつながりで旅イベントで盛り上がる飲食店を紹介してもらえましたよ!
もっと本格的に、でもコストを抑えたいなら市のコミュニティーセンターや美術館にある展示室が利用できるかチェックしてみましょう!
~例えばこんなキーワードで検索~
住んでる場所・ギャラリー・個展(自分の街のギャラリーをさがす)
住んでる場所・市の施設・個展(市で貸し出している展示室がヒットするかも)
住んでる場所・写真展(過去に写真展をした場所がヒットするかも)
会場が予約できたら…
会場のブループリントをもらうか壁の寸法を測らせてもらいましょう。会場内部の写真やビデオを撮っておくとイメージがわきやすいのでお勧め。
※展示をするときの作品点数や配置を決めるのに必要です。
③作品を準備しよう
作品選びはテーマを決めてから
もうすでにある作品を出すのか、または展示のためにイチから作るのかにもよりますが、①で目的やテーマが決まっていれば、作品選びは楽しい作業ですね!
写真であれば候補写真をまず普通サイズでプリントしてみましょう。
自分のPCの色合いと写真屋さんのプリントで色味が違うことがあるので、確認のため大判にするプリント屋さんでやってもらうのが一番ですが
予算を抑えるために最初は安いネットプリントを利用してもOK!
私がお勧めするのは、しまうまプリント!
しまうまプリント
安い普通プリントから富士フィルムの高級紙まで選べるし、発送も早いしまうまプリント。正直、展示用の大判プリントには向きませんが、作品を選ぶためのプリントであれば十分です。
ネットプリント屋さんを利用して大判プリントしてみる
最寄りにプロのプリント屋さんがあればいいのですが、地方に住んでいたりすると難しいですよね。
私が写真展示の時に毎回お世話になっているのは シャシンヤドットコム さんです。
写真の印紙もいろいろ選べて、しかも安い。プロフェッショナルペーパーでは半光沢のラスター仕上げができるのが、私がここを選んだ決め手でした。
写真のアップロードも簡単で分かりやすいし、何より写真屋さんがデータチェックを行って、問題のありそうな写真があったらメールで対応してくれるのが安心なんです。
今回は、編集で明るくしすぎた写真が多く「銀塩プリントでは表現できない色があるからインジェックプリントなら明るい色味を出せる」とのご連絡をいただきました。
値段も倍近くなるので結局銀塩でやってもらったんですけど。

この写真、よく見ると空の部分のゴミを消し忘れてて大判プリントして気が付きました。がっかり。
展示方法は?予算と合わせて考えよう
写真の展示方法はいろいろありますが、初めての写真展におすすめなのは以下の方法です。
- ハレパネに張って展示
- フレームを買う・借りる
- そのまま張る
ハレパネに張って展示
ハレパネという接着面が付いたボードに写真を張り付けて好きな大きさに切って展示することができます。
ハレパネのメリット
- 写真に厚みができて展示らしくなる
- 比較的安価で初めてでも加工しやすい
- 軽いので壁に張りやすい
特に飲食店の場合壁にピンうちができなかったり吊るすものが無かったりするので、引っ付き虫でくっつけられるハレパネはおすすめ!
ハレパネのデメリット
- 時間がたつと反ってしまう
- 傷が付いたりダメージを受けやすい
- 写真を剥がせない
反りを最小限にするなら7mmのハレパネを使いましょう。
A3でプリントしたものを張って3年経過しても反りは目立ちませんでした。
フォトフレームで額装
何度も使えるので、今後、展示を何回もする予定があるという人にはお勧め!
フレームを使うメリット
- 写真がプロっぽく見える
- 写真を変えて使い回せる
フレームを使うデメリット
- 枚数が多いと初期費用がかかる
- フレームのチョイスによっては写真のイメージに合わない
額装フレームをレンタルしてくれるところもあるので借りてしまうのもアリですが、一枚レンタル1,000円とかなら買ってしまってもいいような…。
ダイソーでA2サイズのフレームも出ているので、チェックしてみてください!(クオリティーはそれなりですけどね)
そのままの写真を展示
そのまま張るメリット
- 余分なコストがかからない
- 余計な時間もかからない
そのまま張るデメリット
- 写真が折れたり傷ついたりしやすい
- 安っぽい・素人っぽい
個人的に、写真展示でそのまま張るのはお勧めしません。大判プリントになれば、折れたりするリスクが高いからです。
小さいサイズをたくさん展示するようなコンセプトならいいと思います!
個展・写真展の準備の流れ(時系列)

さて、作品の準備ができたところで展示までの流れを見ていきましょう。
準備期間は余裕をもって6か月前からとしていますが、作品がすでにある場合は3か月もあったら十分ですよ。
6か月~3か月前チェックリスト
- グループ展か個展にするのか決める
- 会場を押さえる
- テーマを決める
- 作品の準備をはじめる(候補写真のプリント)
2か月前チェックリスト
- 作品の展示方法を考える
- DM・チラシ・ポスターのデザイン作り
- お手伝いしてくれる人材を確保
1か月前までにやること
- 写真をプリント・展示できるよう作品にする
- DM・チラシ・ポスターの発注
- 作品や物品を販売する予定なら、制作や値段付けを終わらせる
3週間前までにやること
- 地元新聞社やケーブルテレビ・ローカルテレビ局などメディアに告知プレスリリース
- 遠方の友人知人にメッセージやDMで案内状を送る
- 写真展や個展をやっている飲食店や市の活動センターなどにDMやチラシをおかせてもらう
2週間前までにやること
- 手伝ってくれる人や、近隣友人知人にリマインダーを送る
- SNSでの告知
- 小物の準備(感想ノート、芳名帳など)
芳名帳(ほうめいちょう)とは、来館者に名前や住所を書いてもらうノートのことです。
誰が来たか後から確認することができて、お礼状や次回の個展のご案内DMを送る時のために使います。
また、訪れた側は「私はあなたの個展に来ましたよ、作品を見せてくれてありがとう」という印のために名前を残すのがマナーなんだそう。(とはいえ、個人情報なので書きたくない人は名前や感想だけでもOK)
1週間前に気を付けること
- 体調を整える(超重要)
ここまで来たらあと少し!頑張って!
前日・当日にやること
いよいよ当日!必要なものは全部準備できてますか?
チェックリスト
- 作品が全てそろっている
- 手袋
- 水平を測るもの
- メジャー
- ピン・かなづち、ひっつき虫など
- その他小物(使用する装飾品・感想ノート・来館者ノート)
余裕があったら作りたい展示小物

- ウェブのギャラリー・オンライン販売をするならプラットフォームを作っておく
- ポートフォリオ、写真集など作っておく
- 名刺代わりのカードを作っておく(ギャラリーやウェブサイトにリンクしたQRコードを付ける)
今回DMやチラシ作りに私が使ったのが Graphic(グラフィック)という印刷会社。
テンプレがたくさんあってここだけでデザインから発注まで完結できるのが嬉しい。
しかも、無料で簡単にQRコードが作れる機能付き!!ほんとすごい!
デザインツールも感覚的に使えるので簡単だし、DM作るときはまた絶対ここで頼みます。
前回は バンフーオンラインショップ でDMを作りましたが、GraphicはデザインからQRコードまで全ていっぺんにできて便利でした!
写真展を開催する時の注意点
- 友人が来ても話し込まない(ほかの来場者が話しかけにくくなります)
- ハレパネ+ひっつき虫の場合、落ちるかもしれないのでこまめにチェックする
- 利用する会場のルールを守る(搬入搬出時間・館内飲食禁止など)
美術館や博物館は、生花の受け入れができない場合があります。来場者の中には好意でお花を持ってきてくださる方もいるので、事前に確認して案内に付け加えるようにしましょう。
個展にかかった費用まとめ
こちらが美術展でやる写真展にかかった総費用です。
10万円以内におさまりました!!
売る目的もないのに8万円と思うとやっぱりちょっと高い気はしますね。
飲食店で場所代がかからなければ、かなり費用が抑えられます。逆に言うと、ギャラリーを借りるともっと高くなります。
ほかにもこんな費用がかかるかも
- 人件費
展示中、誰かが常時在廊していなければいけない場合、人を雇わないといけないかもしれません
- 交通費
自分の交通費と、アルバイト交通費
- お弁当代
自分のご飯と、アルバイトのランチ代
人を雇うとそれだけ人件費がかかるので、できたらボランティアでやってくれる友人や親せきがいるといいですね。
写真展の失敗・反省点
写真展をやる!と決めてから当日までの期間は、約2か月です。
前回は2週間でやったので今回は結構時間はあったのですが、結局本職が忙しかったりして最後までバタバタしていました。
さらに、ハレパネの7㎜の在庫がなかなか見つからず、店に不備があったり何度もキャンセルになりギリギリまで作品作りができませんでした。ネットでなにかを購入する場合、時間に余裕をもって探した方がいいです。
写真の編集は、自分のパソコンと印刷の仕上がりに違いがあり写真ではけっこう黄色が強く出てしまったので、写真を選ぶ時点で大判プリントをお願いする写真屋さんにオーダーした方が良かったと思いました。
写真展をやって得られること・感想
本当のところ、写真展なんて何万もかけてやる意味あるのかな~と思っていましたが
実際にお客さんが自分の写真を見て感想を聞けるというのと、どんな写真が人気なのか、注目されてるか、いろいろな発見があって楽しかったです。
プロの写真家さんから批評をいただけたりもして。
写真を大判A3プリントしてみて編集しすぎちゃったなーと思ったり、色味が違ったりという失敗もして、次の教訓に生かそうと思います。
さらに、来てくれた人のほとんどが、またやってください!と言ってくださりして
もっと旅をしていろんな景色を届けたい!というモチベーションにもなりました。
自分の向上心を高めるのにも展示をやってよかったです。
地元の美術館の展示のあとでまた ハヤシ商店 でも展示させてもらって、さらにそこからなんと自分が行っていた専門学校でゲスト講師として呼ばれることとなりました。
外に出て行って何かをやってみると、次の何かにつながるんだなぁ。
しみじみとそんなことを感じた写真展でした。
初めて個展をやるときに知っておきたいことまとめ
以上、写真展や絵画の個展をやるときに知っておきたい基本情報でした。
結構やることが多いので尻込みしてしまいますよね。
そんな時はグループ展にしてみたり、小さな会場(カフェなどの飲食店とか)で一度やってみるのがおすすめです。
私も一度飲食店でやった経験があったので、流れがなんとなくわかっていたのと、絵画の展示に係ってきた母がいたので美術館の展示も乗り切れました。
もし知人友人に展示の経験がある人がいるならアドバイスを求めるのもいいと思います。
写真好きのみなさんの写真が、パソコンの奥底に眠ってしまわないことを願っています!
それではこの辺で!

写真展のために買ったもの・使ったサービス
- 写真プリント
- しまうまプリント
- DM・チラシ制作