フロリダでトロピカルな自然を満喫した私たちが次にやって来たのはルイジアナ州のニューオーリンズ。
1700年代にフランスとスペインの侵略下にあったこの街は、アメリカにいることを忘れてしまうような欧州の雰囲気が色濃く残る。
ニューオーリンズはジャズ発祥の地として有名で、スペイン民謡やフランスの舞踏曲、それに黒人のアフリカ系音楽などがこの街で混ざり合い、影響され合って生まれたジャズは国を問わず多くの人に愛されている音楽だ。
さっそくニューオーリンズの街に繰り出してみよう
私たちが来た週末はちょうどイースター。ダウンタウンでパレードがあるという。
さらに、その日は4月1日。エイプリルフールでもあるので、お祭り好きのニューオーリンズは盛り上がっていた。
昼間から通常のイースターパレードが始まり、夕方からはゲイ・イースターパレードとエイプリルフールだかなんだかわからないけど楽しもう!みたいなパレードに切り替わるらしい。
イースターってなんぞや?
イースターとはキリスト教の復活祭の事。
知名度が高いクリスマスに比べるとちょっとマイナー感のある祭日だけど、キリストが磔刑された3日後に復活した(と言われている)ことから祝われることとなったイースターはキリスト教的には重要な祭日なんだとか。
イースターの日には、色とりどりのプラスチックの卵にお菓子やおもちゃを入れたものを隠してそれを子供が見つけるエッグハントが恒例行事として楽しまれている。
ちなみに、このカラフルな卵はイースターバニーといわれるウサギが産み落としたことになっているのだけど、
卵をうまないのになぜウサギ・・・?
それは、ウサギが一度の生殖に産む赤ちゃんの数が多いので、新しい生命のシンボルとして定着したんだとか。(じゃあ卵はお菓子を入れやすいから…?おやつ会社の戦略…?)
アメリカの宗教的行事はあまり関心がなかったものの、子供ができるとやっぱり行事ごとをやりたくなるのが親心。ダウンタウン近くでやってるエッグハントイベントを探し出して行ってみることに。
いざ!エッグハントへ!
公園に着いたらもう人が集まって、ハンティングは始まっていた。
さっそく息子も卵探し。
小さい子が多いからか、目立つ場所に置かれているエッグをどんどんバケツに入れていく。
なぜかドレスを着たりして正装している人が多かった。
普段着で浮くわたしたち。
このアメリカ人の「機会があればドレスアップしてやろう」という根性が実はけっこう好き(私はしないけど)
こういう行事ごとは子供がいるとほんとに楽しい。
大人だけでエッグハントとかいかないからなあー。
そして、ニューオーリンズの街に繰り出すことに。
ニューオーリンズは公共交通機関を上手に利用しよう
市内はバスや路面電車がたくさん走っていて移動も便利。
しかも運賃が安い。たしか1ドルちょっとでびっくりしすぎて二回運転手に確認したほど。
アーティストが集まるカラフルな街・ニューオーリンズ
街を歩いているとそこら中にすごくクオリティーの高いアートがあって、楽しい。
そして、ニューオーリンズと言えば、その美しい街並み!
住宅街を歩いていると、カラフルで可愛い建物に目を奪われる。
ものすっごい派手なのに街並みに馴染んでいるのが不思議。
街を歩いているだけでも全然飽きないけど、一応ちょこっと観光もしてみることに。
ニューオーリンズにある超豪華墓地に度肝を抜かれる
このあたりで有名なのが、市内にたくさんある墓地。
海抜ゼロで、水害の多いニューオーリンズでは死んだ人を埋葬せず、日本のようにお墓を地上に設置している。
ただ、シンプルで質素な日本のお墓とは違い、ここのお墓は装飾がとても豪華。
そのため、各地からこのユニークな墓を見ようと観光客がやってくるんだとか。
散歩がてら私たちも歩いて行ってみたらツアーバスが停まっていた。有名人の墓があるわけでもないのに墓地がツアーの行先になるなんて、面白い。
城ですか?
たくさんの墓標。死者のアパートみたいな?
とりあえずフレンチクォーターへ
たくさんのお店やレストランが立ち並ぶフレンチクォーターには土産物を売るマーケットがあったり、ストリートパフォーマーやアーティストが路上で出し物をしたりと観光客を楽しませている。
このあたりはニューオーリンズで最も歴史の古い地区らしく、植民地時代の街並みが多く残っていた。
昼間から飲み始めるのがニューオーリンズ流
ニューオーリンズは飲んだくれの街。
お酒には寛大で、外での飲酒が禁止されているアメリカでは珍しくお酒を片手に街を練り歩くことができるのだ。
バーやレストランでもプラスティックカップにビールやカクテルを入れて売ってくれるし、缶ビールを買って公園で飲んだりもできる。(ただ、ガラスのボトルはダメなはず)
こんな風にお店ではお持ち帰りダイキリやブラッディ・マリーを売られていたりするので、ぜひお試しあれ。
子連れの私たちはとりあえずランチ(このあと飲んだけどね)
路上のパフォーマンスを楽しもう
路上で演奏するバンドのレベルが高いのもニューオーリンズ。
ビールを手に入れたら、ちょっと立ち止まって路上ミュージシャンの演奏に聞きほれるのもいい。
ストリートパフォーマーを見学するのも観光地ならではの楽しみ。
このひと、シアトル出身だって。親近感♡
ほろ酔い気分でルイ・アームストロングに会いに行こう
ここはルイ・アームストロングパーク入り口。
ニューオーリンズで生まれ育ったジャズ・ミュージシャンのアームストロングから名前が取られたこの公園の一角にコンゴ・スクエアがある。
1800年代、日曜日だけアフリカ系黒人奴隷に解放されていたこの広場は、青空市が開かれたり、集まった人たちでアフリカ音楽を演奏したりダンスをしたりするのに利用されていた。
そして南北戦争後、ミュージシャンが集い、ジャズの原点となる音楽がここから始まったと言われている。
アームストロングの写真は忘れたっていう。
そんな中、天使発見。
いよいよイースターのパレードへ!
かなり浮かれた格好をしている人々が見えてきたらパレードの始まり!
パレードでは、なんかのスポンサーなのか車に乗った人たちがビーズやキャンディーやイースターエッグを観衆に放り投げる。
ビーズなんか頭に当たるとかなり痛い・・・。(息子をビーズから守るため盾になる母)
子連れだとこっちに向かって投げてくれる確率が高くなるよう。(でもビーズはヤメテ!!)
息子は大量のビーズ(痛い)とぬいぐるみをゲット。
さて、普通のパレ―ドが終わった後は、ゲイ・イースターの始まり!
ゲイパレードの象徴・レインボーの旗が空を彩る。
見よ!このすばらしいヘッドセットを!めっちゃ似合ってるし。
二回目の誕生日おめでとう!ジーザス!
ゲイパレードでハッスルしすぎたら、ベニエを食べてちょこっと休憩
ニューオーリンズで有名な食べのもといえばこれ。ベニエ(Beignet)
簡単に言うと、四角い揚げパンにがっつり粉砂糖をまぶしたもの。(ドーナツと言われてるけど、揚げパンの方が食感が近い気がする)
ベニエを売っている店はたーっくさんあるけど、ここ、Cafe Du Mondeは本家本元なんだって。
ToGoのカウンターには長蛇の列。
並ぶのきらーい。というアナタ!(ワタシ?)
5分も待てば順番が回ってくるのでご心配なく。
これこれ。出来立て熱々をいただきまーす!
あちちちち
噛み切りずらい。
まあ、おいしいけど、一回食べたらもういいかなーって感じ。←バッサリ。
ところで、ニューオーリンズには、なんだかおしゃれな人が多い。
特に、男性。さらりと色や模様のきれいなシャツを着こなしていたり、さりげなくステキなジャケットを羽織っていたり。
都会のスタイリッシュなおしゃれ、と言うのとはまた違って、とても個性的で自分に似合う洋服をよく知っているという感じ。
年配の夫婦が二人でおしゃれして腕を組んで歩いているのを見るとこちらまで嬉しくなる。
アメリカの林家ペーパー夫妻発見。
いや、この人はおしゃれというか・・・。
ジャズの聖地で本場もんの音楽に酔いしれる
さて、ニューオーリンズに来たならやはりジャズを聴かなければ。
ダウンタウンには生演奏を聴かせる店がひしめき合い、夜の街を賑わせている。
しかし、私は一人でバーやレストランに入るのがとても苦手!
息子が寝ている間、1人で街に繰り出したもののどの店に入ったらいいのかわからん!
なんだか盛り上がっていて音楽の良さそうなところは人があふれているし・・・。
うう、どうしよう。
仕方ないので夜の青空マーケットに行ってみたり・・・。
うろうろと街を歩いていたら、バーボンストリートに行きついた。
ここは、右もバー、左もバー、どこもかしこも生演奏を聴かせるバーで構成されている。
ひとりでも、この辺のお店ならさっと入って生演奏が楽しめそう…
それでもまだ踏ん切りがつかない私…
しかし、この夜この場所でしらふだったのは私だけじゃなかろうか。と思うほどみんな陽気に酔っぱらっていたなあ。
そうだ!バーに入らなくても、路上演奏があるじゃないか!
むむむ、しかしここまで来たからには一軒くらいは入ってみたい。。。
2時間ぐらいうろうろして(←どんだけ弱気なの)意を決して適当に店を選んで入ってみることに。
お酒を扱うところはどこの店先にもIDをチェックする人(やたらガタイがいい)がいてなんだか入りずらいんだけど、「ID必要?」って聞いたら、いいよ―入って。となんとも適当な答えが返って来た。まあ、未成年に見えるわけもないだろうけど。
ちょうど、バンドが演奏して盛り上がっている。
フロアでは踊りだすカップルもいて、やっと楽しい気分になってきた。
しかし、やはり、酒場が盛り上がるのは夜も更けてから。就寝時間平均10時の私は瞼が重くなってきたので帰ることに。
こういう時、子供が一緒じゃなかったら夜ゆっくり出かけれるのになあ。とも思う。
でも、子供が一緒じゃなかったらエッグハントとかも行けないしなあ。
とにかく、私がどんだけヘタレなのかということだけはよーくわかった。
翌朝、近所の超ゲットーなお店でものすごいボリュームのシュリンプ&グリッツ(南部の代表料理)を胃に流し込む。
重い。朝から重すぎるよ。
ニューオーリンズは、毎週なんらかのイベントがあるみたいでいつでも楽しい街なんだろうけど、今回はイースターのおかげでとっても盛り上がっていた。
ここに住む人たちを見ると、なんだか型にはまらず自由に人生を謳歌しているような雰囲気がある。
こんな365日毎日お祭り騒ぎな街に住んでいたら誰でもそうなるんだろうか。
この街に住んでいたら私も一人でバーに入れるようになるんだろうか・・・。
今まで行ったどこの街とも違って個性的で天真爛漫。そんなニューオリ―ンズに別れを告げて私たちはテキサスへと歩を進めた。