【アメリカ】呪われた町ブランディング!ブラックホールに消えたウォーターボトル

アメリカ【USA】

 

キャニオンランズを後にして、次の目的地へ車を走らせていたときの事。

 

二車線のフリーウェイの上り坂を頑張って登っていると(Westyは上り坂に弱い)

 

ガコンッ

 

という音がしてアクセルが効かなくなった。

 

寄せて寄せて!

 

Blazに言われ、はっとして脇に停車。ハザードを点ける。

 

Blazがチェックしてみると、なんとこの間マイアミで新しく取り付けたアクセルの結合部分のボルトが外れているというじゃないか!

 

ま・た・か・よーーーー!!!

 

まだ3ヶ月しか経ってないのにもう壊れたとかありえない!!

 

しかも、今度は近くにオートショップもない。

携帯の電波もない。

地図を見ると、最寄りの町、ブランディングまでは3マイル(約5キロ)。

 

これは、歩くっきゃない。。。

 

昼寝から目を覚ました息子と二人、バンに残って助けを求めに行ったBlazを待つ。

 

は~~~~。。。

 

幸い、ドアを開けていれば死ぬほど暑いというほどでもなく、息子にスナックを与えおもちゃで遊ぶことに。

事情を知らない息子はキャンプ場に着いたとでも思ったのか、嬉しそうにおもちゃの消防車を走らせている。

 

 

まあ、しばらく戻ってこないだろうな。

 

そう覚悟しつつ遊んでいたら、突然後ろから声をかけられ心臓が飛び出るほどびっくりした私。

振り返るとそこには初老の女性が立っていた。

 

停車しているWestyを見て止まってくれたのかな?と思ったら、

 

この女性とその旦那さん、道路わきを歩いていたBlazを見つけて拾ってくれ、町で唯一のけん引会社まで送ってくれ、さらに車に残っている私たちを心配して戻ってきてくれたのだった。

 

なんて優しいご夫婦~!!

 

そして、けん引会社のトラックが出払っているので3時間ほど時間がかかりそうだから町の図書館まで送ってくれるという。

 

神なの?神なんですか!?

 

最初、まあ水も食料もあるし3時間くらい待てるからいいか。

と思っていたんだけど、携帯の電波がなくて連絡がつかないと困るのでお言葉に甘えることに。

 

車のカギを持っていなかったので、盗難防止用についているカードを取って内側から鍵をかける。

 

そして5分ほどで図書館に到着。

 

町にいる間、何か困ったことがあったらいつでも携帯に連絡しなさい。車がないとなにかと不便だろうからね。

 

と、名刺までくれるご主人。

 

親切すぎる~~~!!!

 

後光がさして見えましたよ。もう拝むしかない。

 

さて、図書館は1階建てと小さいながらWifiも子供が遊べるスペースもあって、快適。

やっぱり連れてきてもらってよかった~

 

と思ったら、

 

携帯の電波がない!!

 

なんで?町中なのに?これじゃBlazに図書館にいるって連絡とれないんですけど!

 

不安になり図書館のカウンターにいるお姉さんに電話を借りてBlazの番号を押す。

と、やはり留守電になり出ない。

 

Wifiはあるのでフェイスブックでメッセージを送るも、返信無し。

 

困った。。。

 

仕方ないので最後の手段。

 

けん引会社に電話をして、Blazがそこにいたら繋いでもらう作戦に出た。

 

まだ1時間くらいしか経ってないし、いるはず!いますように!!

 

電話の相手は私の問いに少し考えて、

 

あー、白いフォルクスワーゲンの?彼ならすでにけん引トラックで現場に向かったけど?

 

えっっ???

 

最低3時間はかかるって言ってたのに?

 

どうやら、予備のトラックがすぐに見つかったらしい。

そうか、Westyを置いてきたところは電波がなかったからBlazの携帯が繋がらなかったのか。

 

お礼を言って電話を切った後、どうしたらいいのか途方に暮れる私。

 

泣きそうになりながらふと外をみたら、

 

あれ、あの白い車体、まさかWesty!?

 

けん引トラックに乗って図書館の駐車場に現れたのは紛れもなく我らがWesty!

 

 

どうやら、Blazが老夫婦と話したとき図書館に連れて行ってくれと頼んでいたみたいで、居場所はすぐわかったんだって。

 

よかった~~~!!!

 

図書館のお姉さんにもさんざん心配をかけたので、お礼を言ってトラックに乗り込む。

 

まったく、携帯のない時代はどうやって生きていたんだろう。

 

聞くと、なんとけん引会社はオートショップも兼ねているというではないか。

 

見たところ、外れたボルトと同じものが見つからない限り修理もできないそうなので、ショップの前にこれまた都合よくあったRVサイトまで車を持って行ってくれた。

 

哀愁漂う後ろ姿。

 

ボルトが見つかるのはいつだろう。

いつまでここに泊まればいいんだろう。

 

そんな心配をしていたら、その日の夕方さっきのトラックの運転手がやってきてこう言った。

 

「ボルト見つかったから、明日の午前中には車の修理ができるよ。朝むかえに来るね。」

 

早っっ!!

 

すったもんだあったけど、明日には車も直ってめでたしめでたしだ。

 

 

ところが、ここで話は終わらない。

 

 

その夜。

くたくたに疲れていたBlazは、ビールが飲みたい!と言って、1マイルほど先にあるスーパーに向かった。

 

そして1時間後くらいにしょんぼり戻って来たBlazの手にビールの姿がない。

どうしたのかと思ったら、そうだ、ここはユタ州。

 

モルモン教の多いユタ州は、アルコールの販売が制限されているんだった。

 

Blazが行ったお店にはビールは置いてなくて、そこからまた2マイル歩かないと買えないと言われたらしい。

 

こうなったらもう笑うしかない…。

 

そしたら、向かいのキャンプサイトにいたおじさんが話を聞いてやってきて、

 

あんまり冷えてないけど、これ飲みなよ。

 

と差し出してくれたのは2本のビール。

 

それは、バッドライトだったけど、ぬるかったけど、人生で一番おいしいビールだったよ(涙)

 

この町の人、みんな優しすぎる…!

 

 

しかし、ここでも話は終わらない。

 

 

その夜、Blazが慌てて何かを探し回っているのでどうしたのかと思って聞いたら、

 

あの、私がWestyから外した盗難防止用のカードが見つからないという。

 

けん引トラックに乗ったときになくさないようにとBlazに渡してあったんだけど、ポケットに入れたはずのそれが無いというではないか!

 

盗難防止用のカードはその名のごとく車の盗難を防止するためにあるので、そのカードがささっていないとWestyが作動しないのだ。

 

なんでそんな大事なもんなくすかなーーー。。。

 

日も落ちかかっていたけどさっき行ったスーパーまで探しに戻る。

そして、収穫無しで落ち込んで戻ってくるBlaz。

 

もう暗いのでカードを探すのは次の日にしよう。

 

もう疲れすぎてぐったりだったので、カード探しは翌日にしてとりあえず寝ることに。

 

翌日。

 

朝一番で昨日のスーパーに問い合わせに行ったBlazが、満面の笑みを浮かべ、スキップをしながら帰って来た。

 

あったーーーーー!!

 

昨日は閉店ギリギリで見つからなかったけど、どうやら落とし物として届けられていたらしい。

 

よかったーーーーー!!!

 

そこに、けん引会社の人がWestyを受け取りにやって来た。

 

会社のお爺さん(社長?)が、車のない私たちをまた図書館まで送ってくれ(いい人すぎる!)

数時間後、修理の終わったWestyに乗ったショップの若者が図書館に現れた時は感動して涙が出そうだったよ。ほんとに。

 

 

新品同様(は言い過ぎか)のWestyに乗って図書館を後にした私は、あることに気が付く。

 

・・・息子のウォーターボトルがない。

 

ロケットの模様が入ったそれは息子のお気に入りで(というか唯一のボトルで)無いと困ってしまう。

 

図書館で水を飲んでたしそこに忘れてきたに違いない。

 

と戻ってみるも、館内どこを探してもボトルは見つからない。

 

落とし物にも届いていないという。

 

図書館を出てから戻ってくるまで15分程度。

その間に無くなってしまったロケット模様のウォーターボトル。

 

なんなんだこの町は。

ブラックホールでもあるのか!?

 

 

その後、もう一度図書館に戻ってみたものの、やはりボトルは届いていない。

 

正直、ストレスで疲れすぎていた私は

ボトルなんかもうどうでもいいわ!

という気分だったので結局諦めて新しいのを買うことに。

 

何の変哲もない安物のボトルだけど、新しいボトルを手に息子は超嬉しそう。

うん。君が幸せならそれでいいんだよ・・・。

 

 

Westyも直ったし明日また旅に戻れる。

 

そんないい気分で心地よい風を感じながら外で夕焼けを見ていたら、シャワーから出てきたおじさんと目が合った。

 

昔からの友人3人でバイクの旅をしているというバイク乗りのジムは優しくてとてもいいひとで、しばらく会話を楽しむことに。

 

そこに、そのジムの友人のひとり、スターリンがやって来た。

 

ジムの友達なんだからきっといい人なんだろう。

 

と、笑顔でむかえた私はこの後とっても後悔することになる。

 

はじめはジムと3人で当たり障りのない話をしていたんだけど、そのうち私に語り始めるスターリン。

 

俺はね、人種差別者ではないんだよ。保守派だけどね。

でも黒人は怠け者だし、メキシコ人は嫌いだし、中東のやつは暴力的で嫌なんだ

(いや、それめっちゃ差別だし)

 

その点、アジア人は努力家で素晴らしいよね!俺は混血の女性が好きでね。

アジア人の女性はとっても素敵だと思うんだ。

(いや、それ混血じゃないし)

 

女房とはオープンリレーションシップでね、今ここで俺が電話をして、

「素敵な女性に出会ったから1週間戻らない」と言ったとしても全く問題ないんだよ。

(いや、こっちとしては大迷惑だ)

 

スターリンは、そんなどうでもいい話を延々と続け、私の夜を台無しにしてくれた。

 

途中、食料を買いに席を外したジム。

彼のうしろ姿を見つめる私の目は捨てられた子犬のようだったに違いない。

 

少ししてジムがお店から戻ってきた。(待ってました!!!)

そして買ってきたポテチやホットドッグをしきりに私に食え食えと勧める。

 

でもアンタ、私が今本当に欲しいのはビールだよ…。

 

しかし、その後もジムはやっぱりいい人で、やんわりを話をそらしたりスターリンを無視したりしてくれて、私は無事自分のキャンプに戻ることができた。(なんでこの二人友達なんだろう…)

 

 

そんな夜もあけ、出発の朝。

 

目を覚ました私に、Blazが言った。

 

ねえShiz、バイクのギャングの仲間になったの??

 

は??

 

意味が分からずにいると、なんでも朝早くにバイクの3人組の一人が、食パンの入った袋を私たちのキャンプサイトのテーブルに置いて行ったという。

 

ジム、、、だね。

 

なんだかよくわからんけど、これで朝食の心配はいらなそうだ。

ありがとう、ジム。

 

 

しかし、トラブルだらけだったけど人の優しさにたくさん助けられた2日間だったなあ。

これから先、困っている人がいたら絶対に助けてあげよう。。。

 

 

それにしても、もう二度と来ないぞ!呪われたブランディングの町!

 

 

と、心に誓って町を出た30分後、ガソリンを入れるのを忘れてまた戻ってくることになることを、この時私たちはまだ知らない。。。

 

 

チーン。

 

 

その後、カナダで故障したバナゴンの夫婦を助けました。これでちょっとは恩返しができたかな?

 

 

 

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