目的地サンミゲルに行く前に私たちが寄ったところ。それは、ドローレス・イダルゴという町。
ここ、ドローレス・イダルゴ(Dolores Hidalgo)には、メキシコの独立革命の先導者、ミゲル・イダルゴが司祭を務めていた教会があります。
町の正式名称は、ドローレス・イダルゴ・クーナ・デ・ラ・インデペンデンシア・ナシオナル(Dolores Hidalgo Cuna de la Independencia Nacional)
「国家独立のゆりかごであるドローレス・イダルゴ」という意味です。
もともとドローレスだけだったのですが、メキシコが独立を果たしてからミゲル・イダルゴに敬意を表してドローレス・イダルゴと名前が変更されたそう。
観光地として有名なグアナファトとサンミゲルデアジェンデに挟まれたこの小さな町はあまり注目を浴びませんが、その歴史の重要性と町の美しさからプエブロ・マヒコにも選ばれています。
イダルゴとメキシコ独立革命
メキシコ独立革命はメキシコ独立戦争とも呼ばれ、スペインに侵略され植民地化していた現メキシコがスペインの支配を破り国家独立に向けて反乱を行ったことから始まります。
その最初の指導者となったのが、この町の名前にもなったミゲル・イダルゴ。
自身もメキシコで生まれたクリオーリョ(現地生まれの白人のこと)であったイダルゴは、先住民や混血の農民や労働者の厳しい暮らしに心を痛め、彼らの生活を改善するため力を尽くしていました。
仲間のクリオーリョ達や多様な人々との議論の中から、スペイン支配からの解放のアイディアが生まれ、それに向けての計画が進みます。
スペイン独立戦争や大規模の干ばつなどで国内に混乱が広がり植民地解放のムードが高まる中、イダルゴは農民や貧民に訴えかけて反乱の準備を進め、1810年10月1日を決起の日と決めました。
しかし仲間から裏切り者が現れ、政府側に計画が漏れてしまって、イダルゴ一味に逮捕状が出されてしまう事態に。
しかし、逮捕状を出した地方長官の妻はなんとイダルゴたち反乱計画の仲間!
妻から情報を受け取りまんまと逃げる事に成功したイダルゴたちは反乱決起の日を早めることにします。
1810年9月16日、イダルゴはドローレスの教会の鐘を鳴らし民衆を集め、スペイン植民地政府やスペイン人追放を訴えます。これがのちに「ドロレスの叫び」と呼ばれる有名な演説です。
イダルゴの演説を聞いて熱狂した群衆は独立軍となってグアナファト、さらにメキシコシティへと進軍。いくつかの勝利を収めるものの政府軍の反撃にあい首都政略は失敗に終わります。
イダルゴは、貧困層からは多大な支持を得ていたものの敵視していた裕福層のクリオーリョからは支持されず劣勢になり、その後政府軍につかまって死刑となってしまいました。
グアダラハラにはこの革命当時の様子をダイナミックに描いた「戦うイダルゴ」という有名な壁画があります。
イダルゴの処刑後も反乱は続きますが、それについてはまた別の機会に書きたいと思います。
パロキア・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デ・ドローレス(Parroquia de Nuestra Señora de Dolores)
コチラが、「ドロレスの叫び」と呼ばれる演説のあった教会です。
現在も、独立記念日のお祝いの日にはここでいろいろイベントが行われるそうですよ。
教会の中の左右にあるこの彫刻が素晴らしい。
片方は木で、もう片方は金のペイントが施されていました。
こんな写真スポットで記念写真^^
独立革命についてもっと知りたい方は、この教会のそばにミュージアムもあります。
Zacatecas 6, Centro, 37800 Dolores Hidalgo Cuna de la Independencia Nacional, Gto.
月曜日は入館無料
ドローレスで面白アイスクリームに挑戦してみよう
さて、独立革命の舞台となったことで有名なドローレスですが、他にも有名なものがありました。
それは…
変わった味のアイスクリーム!
教会の前の広場では、いくつかのアイスクリームトラック(?)がサンプルを用意してお客さんの呼び込みをしています。
そこには、イチゴやレモン、マンゴーなど、普通のフレーバーの名前が書いてあるけど。
ん、待てよ…?
Cerveza?(ビール)、Tequila?(テキーラ)はいいとして、
Ceviche(海鮮のマリネ)、Cameron con Pulpo(エビとタコ)!!!???
味の想像がつかない!!てかそれアイスにする必要ある!?
好きなものを味見させてくれるので、ここぞとばかりに変な味を試してみる。
認めたくないけど…Ceviche(海鮮マリネ)が案外おいしかった。
でもさすがにこの味をコーン一つ分は食べたくないので、普通のアイスを買うことにした冒険のできない私たちでした。
El Santuario Atotonilco
ドローレス・イダルゴからサンミゲルに行く途中にある、人口600人ほどのアトトニルコという小さな村。
ここにひっそりと佇むこの白い教会は、独立革命ゆかりの地なんだそうです。
その歴史と、建築物の重要性から、サンミゲルと合わせて世界遺産の一部に認定されています。
外側はシンプルでこれといった特徴もありませんが(私はこういう質素な教会好きですけど)内部はかなり凝った作りになっていて、壁画もとても美しいそうです。
でもこの日は日曜だったのでミサがあり、中をのぞくことができませんでした~!残念!!
イダルゴさん
今はとっても平和に見えるメキシコの小さな村で血なまぐさい革命戦争が起こっていたなんてとても想像ができません。
そして、今でも世界では人間の権利やより良い暮らしをめぐっていろいろな形で戦争が起きています。
私たちのこの恵まれた環境は誰にでも与えられているものではないということ。
平和な国で生まれ育った私たちは忘れてしまいがちですが、旅をしているとそういう大事なことを思い出させてくれるのです。
と、今日は真面目にまとめてみました!
それでは次はサンミゲルデアジェンデに向かいます!