台湾では毎年、旧正月を祝うイベントとしてランタンフェスティバルが開催される。
このお祭り、毎年違う開催地が選ばれて、そこでいろんな大きさや形の提灯が点灯されるもので、日本でいうねぶた祭り(行ったことないけど)みたいなお祭りなんだとか。
ちょうど帰国時期が2月で旧正月にかぶっていたのでせっかくだから見に行こう!と思っていたんだけど、2017年のランタンフェスティバルの開催地は台湾中南部にある雲林県。
台北から電車で約3時間はかかるこの地へ、時差ボケでぐずぐずの1歳児を連れて行く気にはならず残念ながら断念することに。(;´д`)トホホ
でも、私がかねがね見に行きたいと思っていたのは実はランタン飛ばし(平渓天燈節)の方。
ランタン飛ばしとは、紙でできた大きなランタンに願い事を書いて中に火を灯し、気球の原理で空に飛ばすもの。
平渓天燈節は旧正月の時期にランタンを一斉に飛ばすことでとっても有名で、夜の暗闇に昇っていくオレンジ色のランタン達がとってもきれいなんだとか。
そしてそれは台北からバスで1時間ほどのところにある平渓郷の十分で毎年開催されている。
私は台北に行く直前までそのことを知らず、ランタンフェスティバルとランタン飛ばしの開催地は一緒だと思い込んでいて、遠いから行けない!とがっかりしていた。
けっこう勘違いしている人は多いと思うんだけど、私だけ?(リサーチ不足なだけ)
というか、ランタン飛ばすだけなら旧正月じゃなくても十分でやってるみたいですけどね。
台湾十分(シーフェン)のランタン飛ばしに行ってみよう!
当日、時差ボケボケ息子が早めに起きたのでせっかくだからと早めに出かけることに。
台北駅から電車でも行けるようだけど、乗り換えがあったりめんどくさそう。
ランタン飛ばしの会場までは直通のシャトルバスが台北動物園駅から出ていたので(平渓天燈節の日だけかも)そっちを利用することに。
動物園からは50元(約180円)激安!
ここ、十分で毎年行われるランタン飛ばし(平渓天燈節)は日本人にもとても人気があるようで、今年はイベントが週末だったこともあって日本からの人出がすごかった。
台湾は日本から飛行機でたったの3時間半と弾丸で観光ができるんだから無理もない。
現地までのバスに乗るため並んでいた時も、
アレ、日本に帰ってきちゃったかな?
と錯覚するほど周りはほとんど日本人。
旧友に会ったような懐かしさで手あたり次第声をかけそうになったよね。
【ランタン飛ばし】の十分に行くにはシャトルバスが便利
朝9時半ころ台北動物園駅に着くと、バス停にはもうすでに長蛇の列。
最後尾
バスの列は、「立ち」と「座り」とに分かれていて、「座り」のほうは長ーい行列ができていた。
もう10キロを超える息子を抱いての立ち乗りはきつい・・・。ということで、私たちもまず座りの方に並ぶことに。
しかし、20分後、まだまだ乗れそうな気配がない。
ここで1時間立って待って、十分まで1時間の道のりの座席を確保するというのは、なんだか矛盾している気がする。
それならば、と立ち席の方へ移動。(というか単に、並ぶのが嫌いなだけ)
そしたら、そこにやってきたバスにすぐに乗ることができた。
はじめからこっちに来ておけばよかったよね。。。
シャトルバス利用なら立ち席でさっと乗っちゃったほうが絶対はやい。
ただ、山道の中を行くバスはたしかに結構揺れる。子連れだったら席を確保したほうが安全かも。
息子を抱っこしていたBlazはちょっと大変そうだった。
そうこうしているうちに、1時間ほどで到着~
あたりは、とてものどかな感じ。
まだ明るいというのに、もうランタンが上がっているのが見える。
平渓天燈節のイベントにはメイン会場があって、そこで一定数(50個だったかな?)のランタンをみんなでカウントダウンをしながらいっぺんにあげるようになっている。
みんなで上げる時間は決まっていて、一日8回。夕方6時15分から。
もしもメイン会場でみんなでランタンを上げたいのなら、定員があるので会場に早めに行ってチケットを買いましょう!
私たちが到着した時(11時前)はもうチケットは完売だった。
どんだけ早く来たらチケットが買えるんだろう・・・?
さっそく十分を歩いてみる
とりあえずあてもなくブラブラ歩いていたら、「ランタンを飛ばしたら携帯やカメラの液晶を見ないで空を見上げよう!」というキャンペーンをやっていた地元の学生さんに遭遇。
とてもいい考えだと思うんだけど、なかなか難しいよね。
だって写真撮りたいし。
願掛けの池発見
金か、健康か、愛か、平和かを選んでコインを投げ、入ったら願いが叶うみたいな。
もちろんBlazもやってみた。
狙いを定めて~
あ、入った!(絶対入ると思ってなかった)
Blazはめでたく2017年の健康を手に入れました。ワーイ\( ‘ω’)/
道を練り歩く獅子舞を息子は興味深く見ていた。
坂を下りていくと、もうたくさんランタンがあがっているのが見える。
ここまで来たらランタンを飛ばしてみよう!
ランタンは、色によって願い事が違う。
- 赤 =健康
- 青 =仕事
- 黄 =お金
- 紫 =試験
- オレンジ=結婚
- 緑 =円満
- 白 =未来
- 桜色 =幸せ
- 桃色 =人気
線路が通っているこの通りにはランタンを売っている店がたーーーーーーっくさんあるけど、値段も大きさも一緒なのでどこでランタン買ってあげてもたいした違いはないと思う。
通りを歩いているといろんな人が願い事を書いているところだった。
台湾の人も願い事。
韓国の人も願い事。
でもやっぱり格段に多かったのは日本人。
道を歩きながら人の願い事を盗み見るのもまた楽しい。
私たちも上げようかなーと思ったんだけど、やっぱ暗くなるまで待つことに。
みんなの願いが叶うといいね!と思いながら先を進んでいたら、電車がはいって来た。
と同時に、線路の上でランタンを上げていた人たちが一斉に横によける。
電車の周りをいつまでもうろうろしている観光客をはけさせるのに時間がかかる様子。
この電車、ほんとに店の間スレッスレのところをのんびりとすり抜けていく。
電車が去った後は、またみんな線路に戻ってランタン飛ばし。
おお、台湾にも臭豆腐が・・・!(いまだ勇気がなくて食べれない)
駅近くの吊り橋を渡ると・・・
特に何にもなかった。Ω\ζ°)チーン
時間があったらマイナスイオンを浴びに十份瀑布へ!
一通りあたりを歩いたところで、台湾のナイアガラともいわれている十份瀑布へ行くことに。
ちなみに、台湾に来る前にこの十份瀑布に行く道順を調べたところ、なんか行き方が結構ややこしくて遠いみたいに書いているブログをたくさん読んでいたので今日は時間に余裕をもって来たというのに・・・
ここ、めっちゃ簡単に行けますから!
ビジターセンターみたいな建物の裏にある橋を渡って、道なりに行けば最初の滝があり、吊り橋を渡ったら食べ物屋さんが連なり、そこを抜けるともう目的の滝がそこに。
結構わかりずらい所にある秘境的滝というイメージで行ったから、あっけなく到着してちょっと拍子抜け。
これは、途中にあった滝
滝に着く前に食べ物屋さんがたくさんある。
お、見えた
ようこそ十份瀑布!
しかし・・・
ナイアガラというにはちょっと規模が小さいような・・・。
本物のナイアガラ見たことあんのか!?
と、突っ込みたくなる感じの大きさではある。
いや、素敵な滝だったけどね。
ここまでの道も、散歩にちょうどいい長さでよかった。
今度こそランタンをあげてみる
思ったよりも時間がつぶせなかった十份瀑布を後にして、別の道を通ってメイン会場の方へ戻っていたら、ランタンを売っている人たちがいた。
なにも、町からちょっと離れているこんな人があまり来ない寂しいところで売らなくても・・・。
なんかかわいそうになったのでランタンを1個買って上げてみることに。
そしたら、願い事を書くのに出てきたのはサインペン。
他のところはみんな太めの筆なのに!
しかもインク切れ気味で書けやしない!!
もう一本持ってきてもらったらそれもインク切れって!!!
FROM PEAK TO SHOREって書いてみたけど見えやしない。
ドヨーンとしつつ、仕方ないのであげてみる。
ほんと、紙の気球だねぇ~
お、あがったあがった~!!
電線に引っかかりそうになりつつ、上がっていった。
なんとか、無事にあがって空に消えていきました。
このランタンたち、途中で紙に火がついて燃え落ちてしまうこともよくあって、そんなランタンを見るたびに、この周辺に住んでる人は毎年自分ちが火事にならないかと心配じゃないのだろうか。と気になって仕方がない。
ちなみに、ランタンはボランティアの人とかができる限り回収しているそう。ゴミが出るのも気になっていたからε-(´∀`*)ホッ
そしてあまりに時間を持て余したのでおしゃれカフェでケーキなどを頂く。
いよいよランタン打ち上げ!
日が沈むにつれて上がるランタンの数も増えてゆき、青が濃くなった空に点々と映る赤い光が私たちをランタン打ち上げ会場へと導く。
ちなみに、昼間も天気が悪くて寒かったけど山のほうなので夜はかなり冷える。
暖かい上着を持っていくべし!
途中、ほんとうにたくさんの人がランタンを上げていた。
願いはそれぞれ・・・。(読めない)
みんなが揃ってランタンの打ち上げをするメイン会場は、滝を見に行くときに通ったサービスセンターの建物の向かいの広場。
そこにたどり着く前に第一回目のランタンが飛ばされた。
それを、ちょっと離れた下の広場から見上げる。
・・・・・。
遠い。
望遠を付けていない私のカメラでは遠すぎる。
なので、二回目はメイン会場へ行くことに。
しかし、そこまでの道のりがすごい人人人。
なかなか前に進まない。
そうこうしているうちに、二回目のランタン飛ばしが始まった。
最初に会った子たちのキャンペーンもむなしく、周りの人はみんな携帯やカメラを空に向けていた。(私もね)
きれーい!!!
ここでもだいぶ近いけど、どうせだったらもう少し近くで見たいではないか!!と思うのが人情というもの。
とうとうランタン飛ばしのメイン会場の中に潜入成功!
潜入したはいいけど会場内は人の圧迫がハンパじゃなーい!
ハードコアバンドのライブの最前列くらいすごい。(ダイブしてる人がいないだけまだましか)
私は、息子をおんぶしているBlazの後ろにがっちりついて息子がつぶされないようにガード。
普段の寝る時間をとっくにすぎてるのにまだ外にいることに憤慨気味の息子。
でもここまで来たら後戻りはできないぜ。
そして、3回目の打ち上げ!
うわ~!きれーい!!!
火の付き加減で上がるタイミングがずれたりもするけど、いっぺんにたくさんのランタンが空にあがっていく様子は本当に幻想的・・・。
来てよかった・・・!!!
しかし、これ以上打ち上げ場所の近くに行くのは精神的にも肉体的にも無理と判断した私たち。
会場から出ようと試みるが、会場に詰め寄せる人波と会場から出る人波がぶつかり合って、文字通り、身動きができない状態に。。。
警備の人はいるものの誘導が全くされず、みんな押せ押せ状態。
大人の私でもぎゅーっと圧迫されて苦しいくらい。
母、息子だけはつぶされまいと必死でBlazの後ろに張り付く。
そんな中、近くにいたカップルの会話が聞こえてきた。
彼女「ねえねえ、あの子(息子の事)ちょーーーーかわいい!!」(そんなこと言ってる場合か!)
彼氏「いや、かわいいけどさ、かわいいけど、あんな小さい子こんなとこに連れてきて危なくないの?!」
わかってるよ。こんなにカオスなことになるってわかってたら来なかったさ・・・。
そうこうしているうちに、こういう時はほんとに頼りになるBlazが突破口を見つけ出し、みんなケガすることなく会場から無事脱出!!ε-(´∀`*)ホッ
そして撃沈の息子
こんなに混雑しているなんて・・・。行ってみないとわかんないもんだなー。
しかも、このランタン打ち上げ会場には大きなステージが設置してあって、そこで地元のバンドがこの幻想的な雰囲気に全く合わない曲を演奏していたり、サーチライトが常にあたりをまぶしく照らしていたり(打ち上げ前には消されるけど)、台湾の有名人がだらだらステージでしゃべったり、と、騒々しい事この上なかった。
ランタン飛ばしはもっと、厳かな空気の中で行われると思っていたんだけどなあ。
まあ、旧正月のお祝いだから賑やかほうがいいんだろうけど。
ランタン飛ばしも見たし、さあ帰ろう!
ランタン飛ばしはあと5回も残っているけど、私たちも朝から歩き通しで疲れ切っていたので帰ることに。
まだ早いしもしかしたら帰りのバスはそんなに混んでないんじゃないかな~♪
なんて一瞬でも思った私がバカだった。
バス乗り場までは長蛇の列。
もうタクシーに乗ってもいいからすぐに台北に戻りたい。
と思っていたけどタクシーなんて見当たらない。
仕方なしに列に並ぶ。当然、早く帰れる立ち席側へ。
そこで、おんぶされていた息子が目を覚まし、ギャン泣き。
横抱っこじゃないと泣き止まず、Blazが抱っこして列が進むのを待つ。
やっとのことで私たちの番がきたので、息子を抱っこ紐の中に入れようとしたら・・・
息子、ギャン泣きで拒否。
絶対に絶対にこのバスに乗りたいのに・・・。
途方に暮れる私たち。
とりあえずなんとかなだめて抱っこ紐に入れると、抵抗しつつもまた寝た。
ところが乗車して歩く動きが止まったとたん、ギャン泣き再開。
シンとした車内に息子のけたたましい泣き声が響き渡る。
この息子の泣き声を止められる唯一の方法は、横抱っこ。
長ーい長ーい1日の最後に、10キロになる子供を横抱っこしながら1時間の山道を立ったままバスに揺られるBlaz。あんた立派だよ・・・。
もちろん危険なのは承知の上。
しかし選択肢は二つ。
抱っこ紐に入れて我が子の泣き叫ぶ声に乗客全員を巻き込むか、
腕がちぎれそうになっても横抱っこを貫くか。
私たちは後者を選んだ。
一時間後、やっとのことで駅に着き、さあタクシーに乗ろう!と張り切るも・・・
そこにも空車はない。
(-“-)
もう、いいわ!!
地下鉄乗るわ!!
私たちの宿に帰るには乗り換えする必要がないのが唯一の救い。
そして、地下鉄の車両の中に1席だけ空席を発見!助かった!!!
Blaz!あそこ!と、私が指をさしたところを、
後から入ってきた若者が、さーーーーっと私たちを押しのけてその席に座りおった!!!
その様子がスローモーションで私の目に映し出される。
その状況を理解するまで時間がかかる。
えっっっ!!!?
絶句して、半べそになりつつもうなにもかもを諦めていたら、
そばに座っていた台湾人のおじさまとおばさまが、ここに座んなさい。と言ってくれた。
ありがとうございます。涙
そりゃ、いろんなタイミングやらプランニングやらを見誤って子供に無理をさせたのは私たちが悪いけどさ、寝てる子供を抱っこしてる人を押しのけてまで座るか普通?しかも若者が!
てか私だったらどんなに疲れて座ってても席譲るわ!
あ、愚痴になっちゃった。
そして、家についてからも怒った息子さんは寝付くまでに火が付いたように泣き続け、
もう息子に無理はさせない・・・!と心に誓った私たちだった。。。
【子連れで台湾・ランタン飛ばし】平渓天燈節で得た教訓
①1歳児を連れて行かない。
②連れて行くなら、昼からの出発にする。(九份に行くとかなら別だけど)
③どうしても連れて行くなら、メイン会場には近寄らない。
④それでも連れて行くなら帰りのタクシーを予約しておくか、一日タクシーをチャーターしておく。
⑤なにがなんでも連れて行くなら、抱っこ紐でも快適に寝れるように事前に特訓しておく。
ちなみに、人だかりがすごいし段差も多いのでベビーカーはお勧めしません。
まだ時差ボケも残っててぐだーぐだの息子にはほんとに可哀想なことをしたけど、ずっと見たいと思っていたランタン飛ばしに行けてほんとに嬉しかった!
旅好きの家に生まれたからには定めだと思って諦めてくれ!
というか、慣れてくれ!息子よ!
【おまけ】ランタン飛ばしに持っていきたいレンズ
今回の帰省ではワイドレンズ(11-17㎜)と単焦点(50㎜)しか持っておらず、苦労してメイン会場まで行って、打ち上げ場所からほんとにすぐのところにいたのに迫力の画像は撮れずちょっと残念。
ランタン打ち上げのど真ん中まで行くのであれば20㎜-24㎜くらいの明るいワイドレンズ、
そうでなければ望遠レンズのほうが使えたかなーという感じ。
ただ、外は暗いから望遠だとかなり明るいレンズじゃないと使いものにならないという噂も…。
いい写真が撮りたければ、ワイド持って頑張って打ち上げの真ん中まで行ってみよう(圧死しないでね!)
今回の目的はランタン飛ばしだったので「千と千尋の神隠し」で有名な九份まで足を延ばせなかったけど、夜の街並みがとても美しいらしくいつか訪れてみたい場所。
あー、台湾ほんとに大好き♡また絶対来たい!