北アメリカを15か月一緒に旅した私たち家族の家でもあり足でもあったウェスティーを去年の秋に手放した。
最愛のウェスティー。
身をちぎられるような思いで引き取り手を探し、すぐに見つかった新しいオーナーはアウトドア好きの初老のご夫婦。
どうやら彼はいい家に引き取られたみたいでほっと一安心だ。
そんな家族同然のウェスティーをなぜ私たちが手放さなければならなかったのか。
それは、金がかかりすぎるから。
15か月の間に3回アクセルの故障があり、けん引、故障の修理に支払った金額は100万円以上。

そのうえ、高齢なのでエンジンに負担がかからないようにガソリンはトップグレードのを入れていたし燃費もかなり悪い。
さらに冷却液が漏れたりドアのロックが壊れたりと2か月に1回はどこかしら修理していたと思う。
バナゴンのパーツは特殊なので、取り寄せるのに時間がかかったり修理できる場所が限られるのもまた問題だった。
そんな病気がちなウェスティーだったけど、私たちはそんな彼を心から愛していた。
もしもこのままアメリカにとどまるのであれば、彼を1人旅立たせることはなかっただろう。
しかし、私たちの次の目的地は中南米。
こんな病弱な彼を連れて行けるとは到底思えなかったのだ。
検診で見つかった故障個所はすべて直したものの、一緒に旅をしているとたびたび聞こえてくる呻き声。
その度にまた動かなくなってしまうのではないかと不安が襲う。
こんな思いはもうたくさんだ。
子連れなのもあり、住居でもある車の故障は死に直結、とまではいかないけど大きな問題になる場合もある。
言葉の通じない中南米で車が故障するなんてことは絶対に避けたい!
というわけで、ウェスティーの里親を探すことになったのだ。
シアトルでの滞在期間は1か月。その間に里親を見つけなければならなかったのでちょっと不安だったけど、探し始めて2週間後には買い手がついてしまった。
改めてバナゴンの人気にびっくり。
バイバイ、ウェスティー。
新しいオーナーにはもうすこし元気な姿をみせてやってね。

とにかく、これで私たちはほんとうのホーム/カーレス家族だ。
ウェスティーと共に過ごした15か月、北米バンライフの第1章がここで幕を下ろす。
バンライフ第2章、中南米の旅に私たちが選ぶ動く家はいったいどんなバンになるんだろうか。
次は内装からソーラーパネル設置まで自分たちでやる予定なので今からワクワクが止まらない!
さて、バンを探しに行こう。