みなさんこんにちは
10月から5月くらいまでキャンプが厳しい北海道在住の放浪家族です。
さて、みなさん車中泊用車に断熱材って入れてますか?
アメリカでバンを車中泊仕様にしたときは、住む前提だったのでウレタンボードの断熱材を入れ発泡ウレタンフォームで隙間という隙間を埋めたのですが
日本では週末の旅か、長くても数カ月…。断熱材、必要なのかな?
そこで、断熱材の種類と効果を調べてみました!
車中泊仕様・バンライフDIYの断熱材の役割とは?
4年間バンで暮らした私が、これだけは断言します。
断熱材、超大事!絶対入れるべき!
でもさー、冬とか寒い時期に車中泊しなきゃいいんでしょ?
という声が聞こえてきそうですが…
甘い!断熱材は、内側の暖かさを逃さないようにしつつ、外気温を遮断する効果もあるんですよ!
つまり、寒い時期だけじゃなく夏の暑い時期にも車中泊をするなら断熱材は絶対に必要!
凍えるような外の寒さから室内の暖かさをキープするのが断熱材なら、鉄の塊の車内を灼熱の太陽から守ってくれるのも断熱材というわけです。
週末バンライフだけという人も、車内で快適に過ごしたいなら断熱材の検討をお勧めします。
車中泊・バンライフ用の断熱材を選ぶ基準
さて、通常建築物に使う断熱材を車に使用する場合、どんな基準で選べばいいのでしょうか?
①断熱性能
私たちが断熱材に一番求める機能はここでしょう。なんせ断熱するために入れるんですから。
車というのは熱伝導率がものすごく高い鉄の塊です。そこに、断熱材を入れて熱や冷気をカットしてやるのです。
いかに車内を外気から守ってくれるのか。それが一番大事。
②燃えにくさ
耐熱性、耐火性も大切です。車内の断熱材に引火して火災、となったら大惨事ですからね。
③安全性・有毒ガス発生の有無
生活スペースが狭いからこそ、断熱材が体に有害な成分でできていない事が重要。万が一、燃えてしまったときに有毒ガスが出ないということも大事ですね。
④湿気、結露につよい素材
車中泊をしたことがある方はお分かりかと思いますが、車内は呼気などで思ったよりも湿気が発生します。さらに外と中の寒暖差で結露も生じやすい。
それを放置するとどうなるか。
そう、カビます。
さらに、塗装が剥げているところがあれば最悪そこからサビて取り返しのつかないことに!!
⑤コスト
どんなにいい断熱材でも、費用が予算を超えてしまっては利用することができませんね
⑥吸音・遮音
車の遮音(デッドニング)は本来断熱材の仕事ではありませんが、もし断熱材に吸音効果があったら一石二鳥ですね。
知ってる?断熱材の違い
断熱材は大きく以下の3つの種類に分けられます。
- 「繊維系断熱材」
- 「発泡プラスチック系断熱材」
- 「天然素材系断熱材」
住宅に使われるのはグラスウールや、板状のウレタン材が一般的だと思いますが、実際に車内の断熱に効果的なのはどれなのでしょうか?
数ある断熱材の中からバンライフ・車中泊仕様に適している断熱材をピックアップしてご紹介します。
「繊維系断熱材」グラスウール・ロックウール
「繊維系断熱材」は、繊維の隙間に空気を閉じ込めた断熱材です。
鉱物を原料としたポピュラーなグラスウールやロックウール、ペットボトルなどをリサイクルして作られるポリエステル断熱材があります。
グラスウールの特徴
建築断熱材でも最もポピュラーなグラスウールは、主にリサイクルガラスを高温で溶かして綿状に線維化した、細い繊維の集合体でできています。
- 価格がお手頃
- 素材がガラス繊維なので火災に強く防音効果もある
- 劣化がほとんどなく、断熱性能が長続きする
- 吸湿性があまりないので湿気に弱い
- 加工時チクチクしてかゆみを感じる
ー注意ー
- グラスウールは吸湿性があまりよくないので湿気に弱く、内部結露が発生しやすいと言われています。
使う場合、断熱材との間に隙間ができないよう、防湿フィルムでしっかり被って結露を防きましょう。 - グラスウールは吸い込んでも安全とされていますが、触ったり目に入るとかゆみや痛みを感じるので加工する時は長袖や手袋、ゴーグルの使用をお勧めします。
防湿フィルム付きで施工がしやすいグラスウールはこちら
ロックウールの特徴
ロックウールは、天然岩石や製鉄所の高炉から出た溶融スラグを加工して繊維状にした人工の鉱物繊維です。
- 燃えにくく、高い断熱性能がある
- 収音性能に優れている
- 鉱物を原料としているので害虫に強い
- リサイクル性が高く環境に優しい
- 触れるとチクチクしてかゆみを感じることがある
- 水分を吸うと断熱性能が低下する
- グラスウールよりも高価
ロックウールもグラスウールと似たような特性を持っていて、お値段はグラスウールよりも高いですが、その分パフォーマンスはロックウールの方が優れています。
「発泡プラスチック系断熱材」硬質ウレタン・発泡ポリスチレン
「発泡プラスチック系断熱材」で建築現場で主に使われているのは、発泡ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォーム、またフェノールフォームとなります。
海外のバンDIYのチュートリアルを見ると、ホームデポ等で手に入りやすい板状のウレタンフォームを使っている人が多い印象で、私たちも最初のバンカスタムでは硬質ウレタンを使いました。
発泡ポリスチレンフォーム・硬質ウレタンフォームの特徴
プラスチックを発泡させ、細かい気泡の中に空気を閉じ込めた断熱材です。
- 素材が軽く自由に形成しやすい
- 耐水性があり結露に強い
- 劣化が少なく長持ち
- 耐火性が少なく燃えやすい
- 板状なので曲線の多い車の壁には使いづらい
- ウレタンフォームは燃えると有毒ガスを発生する可能性がある
ー注意ー
- 加工しやすく結露に強いウレタンフォームですが、板状なので繊維系断熱材のように詰め込むことができません。隙間があると結露の原因になるので車に使うときは発泡フォームを使って隙間という隙間を埋めましょう。床断熱には有効!
- 燃えやすいとは言っても耐熱は100度くらいまであります。しかし燃えると有毒ガスが発生する可能性があるので狭い車には使わない方がいいかも?
板状の断熱材は隙間ができるので発泡ウレタンフォームが必須!見た目が悪いけど、壁板張るしね…。
ちなみに、吹付の発泡ウレタンフォームだけで断熱をしたバンを見たことがありますが、おすすめしません。
コスパが悪すぎるし、吹付発泡ウレタンは吹き付けると膨らむので隙間に入れる以外の用途には使いづらいからです。
フェノールフォームの特徴
フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を合わせて発泡・硬化させた断熱材です。
- 断熱性が高い
- 耐火性や耐熱性に優れているので
- 湿気や水分に強い
- 高価格
- 風雨や紫外線に弱い
フェノール樹脂はフライパンの持ち手などにも利用されるほど耐火性に優れいて、炎を当てたときに有毒ガスがほとんど出ないため、車内が燃えても安心!
いや、車が燃えたらだめでしょ
「天然素材系断熱材」羊毛

「天然素材系断熱材」は無添加で自然素材を利用している断熱材です。
羊毛
- 自然素材なので環境に優しい
- 湿度を一定に保ち、調湿性に優れていて結露対策に最適
- 断熱性や耐久性が高い
- 防虫効果がある
- 他の断熱材に比べるとかなり高価格
- あまり出回っていない
自分たちでバンをカスタムしたアメリカの友人はこの羊毛断熱材をバンに詰めたところ、お値段は張るもののとても良いと言っておりました。
値段はかなり高いですが、長く乗る予定があるなら天然素材の羊毛断熱材も検討の余地あり。
結局どれがいいの?私のおすすめは「ポリエステル断熱材」!

上の基準を考慮して、私が熱意をもってお勧めしたいのが繊維系ポリエステルの断熱材です。
私たちの生活に身近なポリエステルが原料の断熱材は、加工が簡単。寝具にも使われるポリエステル素材なので安全。湿気にも強く、吸音性も高い!
うちには子供がいるので施工時にチクチクするような素材は避けたかったのが選んだ理由です!
ポリエステル断熱・シンサレートの特徴
さまざまな太さのマイクロファイバーとポリエステルファイバーが複雑に絡み合うことによって断熱効果を発揮する新素材のシンサレート。
グラスウールよりも繊維が細くてより吸音効果があるので、車の吸音(デッドニングなど)に利用する方も多いです。
しかもシンサレートはポリエステル系繊維なので、グラスウールより軽く、人体への刺激感がなく、加工が簡単!
- 同程度の厚みを持つウレタンなどと比較してもより優れた吸音・断熱性能をもつ
- ウレタンやフエルトと比べて、同等の吸音・断熱性能を発揮
- 耐熱・難燃である
- 吸水性が非常に低く湿気に強い
- 非常に柔らかく、加工しやすい。
- とにかく安全
いいとこずくめのシンサレートですが、デメリットは無いの?
シンサレートのデメリットと言えば、その価格。でも加工時の安全性や、吸音効果が期待できるのを考慮するとコスパが良いですよね。
片面が粘着テープになっているので、天井に張るのにとても便利!
壁面の隙間に詰めるのに、厚手のシンサレート。ふわふわで暖かいのでずっと触ってたい。
結論:車中泊・バンライフ用の車内断熱材のイチオシはポリエステル

私たちは全体的なバランスと人体への安全性を考えてポリエステル素材のシンサレートを選びました。
硬質ウレタンをぎっちり入れた前回のバンは、断熱性が高かったものの車内に熱がこもるという問題もあり、ポリエステル系断熱材がどんな効果を発揮してくれるか楽しみです!
あと、心なしか車内は携帯の電波が弱かった
もちろん、ちゃんと防護して施工をすればグラスウールやロックウールも危険なわけではありません!今回ご紹介した断熱材の中から自分のバンカスタムに合ったものを利用すれば間違いないと思います。
どの断熱材を使うにしても、断熱材が湿気を吸わない対策をしっかりやりましょうね!
それでは!