さて、バンの改造も終わりアラスカに向けて旅を再開した私たちが最初に向かったのはここ、アメリカでもかなりマイナー感のあるボエジャーズ国立公園
え?どこ?
ボエジャーズ?なにそれ?
ボエジャーズ国立公園は、アメリカはミネソタ州の北のはずれ、カナダとの国境近くにひっそりと存在している水資源が豊富で緑豊かな自然の美しい国立公園です。
ミネソタの都市部からもかなり離れているし、私たちのルートからもけっこう外れているので正直行こうかどうか結構迷ったんですが、まあこの辺に来ることもそうそうないだろうし…。というまたまた適当な理由で寄ってみることになりました。
ボエジャーズ国立公園ってどんなところ?
ボエジャーズ国立公園の名前はもともと、ボエジャーズ(Voyageurs・フランス語で旅人という意味)と呼ばれるフランスの毛皮商が16世紀から19世紀にかけてこの地域でビーバー等の毛皮を取引していたことに由来しています。
大型の船では入れない場所でもカヌーでなら奥地に住むネイティブアメリカンとの貿易ができることから、毛皮の輸出入が盛んだったカナダはモントリオールからたくさんのボエジャーズが働いていたようです。
しかし、そのカヌーの旅は過酷そのもの。
カヌーで水路を行くといっても、途中激流の川があったり滝があったりもするのでそんな場所では荷物とカヌーを担いで陸路を通る必要がありました。
そのポーテッジ(Portage)と呼ばれる陸送でボエジャーズは、時に40キロの毛皮の積み荷を1人2~4個(中には7個担いだ強者もいたらしい)とカヌーを担いで次の水路まで運んだというからなんと超人的!!
今では想像もできないけど、彼らの毎日は14時間ほどカヌーを漕いだりポーテッジを通ったりの激務で、当然ながら体力の限界で亡くなる人が多かったんだとか。
面白いのが、カヌー乗りのくせに泳げない人が結構いたらしい。
なので、溺れて死ぬ人も多かったよう。泳ぎ覚えようよ!!
パーク内に3つあるビジターセンターではボエジャーズやこの地域に住んでいたひとの資料や、ボエジャーズについてのDVDを見ることができるので彼らの生活ぶりに興味があったら見てみてください。ほんと過酷ですごいから。
こんなティーピーを建てて旅をしたらしい。
ボエジャーズ国立公園の見どころ
この公園、ほんとにアメリカの北の果てにあるので事前に情報を確認してそこで自分が何をしたいかはっきりさせてから行くのをおすすめします。
私たちみたいに「なんかすごそう」とかいう理由で行くとアレ?ってなる絶対。
ちなみに、パークの入場は無料!
ボートツアーに参加しよう
ボエジャーズ国立公園は面積の35パーセント以上が水。
ここの一般客の多くは、大型のトラックに自分ちのボートをけん引して来てるカナダ人と周辺アメリカ人がほとんどのようで、ビジターセンターの駐車場にはたくさんトラックとボートが停まっていました。
いやでも、ボートなんて持ってないよ!
という私たちのような人のために、パークではボートツアーが用意されています。
普段(貧乏な私たちは)ツアーに参加することはあまりないのですが、なにせこんな遠くまで来てしまったので手ぶらでは帰れません。ツアー予約ポチ👇
ボートツアーは、空いていればビジターセンターのカウンターで当日でも受け付けてくれます。(クレジットカード決済のみ)
とはいえハイシーズンはツアーが埋まってしまうので予約をしたほうが安心。
ツアーは大人25-40ドル。選ぶツアーによって値段も時間も違うので、自分の好みのツアーを選びましょう。
ツアーの詳細はこちらから
私たちは、子連れだしあんまり長いツアーも疲れるので[Rainy Lake]から出ていて野生動物の観察ができるという「Life on the lake tour tour」に参加することにしました。
ツアーでは、レンジャーがパークの情報などを解説しつつ、ボートから見れる動物がいる場所を教えてくれます。(ボートで双眼鏡を貸してくれるのがうれしい)
ボートの中はこんな感じ。
あっ!ワシ発見! どこどこ!?
運が良ければビーバーにも会えるかも!?
昔利用されていたというフィッシュキャンプが折り返し地点になっていて、だいたい1時間半くらいでツアーは終了。子連れにはちょうど良い長さですね。
無料!ボエジャーズのカヌー体験に参加してみる
6~8月の間、ボエジャーズが利用していたようなカヌーを実際に自分で漕いで彼らの生活を振り返ってみるツアーがあるそうです。
参加はなんと無料!
しかし5歳以上と年齢制限があるのと、時間が結構長かったので私たちは残念ながらできませんでした。
もし体力に自信があって時間があるならぜひ体験してみてください!!
水に囲まれてキャンプをしてみる
ボートでしかたどり着けないキャンプサイトが200以上というボエジャーズ国立公園。
キャンプ場を利用するには申請が必要なんだけど、無料のサイトも多いのでぜひ泊まってみたい。
ボートでしかアクセスできないキャンプサイトはこんなかんじ
パーク周辺には光源がなんにもないのでキャンプサイトからの天体観測や、時期によってはオーロラを見ることもできるそうです。
周辺のリゾートではボートレンタルもやっているので、住居空間のあるボートを借りての水上キャンプも楽しそうですね。
普通のカヌーやカヤック、モーターボートならここから
一日25ドルくらいからとお手頃!釣りなんかも楽しめるかも。
グループでボート泊を考えているならこちらはいかが
4-6名の大きさのボートで400ドルほど。
野生動物に出会えるかも?ハイキングをしてみる
パーク内で車でアクセスできるハイキングコースは7つ。
全長3キロ程度の簡単なものから、片道50キロある本格的なハイキングまで様々なコースが用意されていてよりどりみどり・・・。いや、50キロとか無理っしょ!
コースはビジターセンターでトレイルマップを手に入れてチェックしましょう。
ボートツアーを午後に予約して、午前中の半日でハイキングするのがおすすめです!
ボエジャーズ国立公園は思ったよりも素敵だった
思ったよりとか失礼な…!
いや、実は何があるかあまり調べずに行ったので期待してなったんだけど、ボエジャーズの歴史とか生業がとっても興味深くて行ってみてよかったです。
水上ボートがあったらもっと楽しかったんだろうなぁ。
次回万が一また行くことがあったら是非ボートレンタルをしてキャンプサイトに一泊したいですね!
さて、お次はノースダコタを突っ走るぞー!